「DIRECT4」は異次元の走りを見せてくれる
走りに関しては、プラットフォームは、RAV4やハリアーなどと共通のGA-Kであるが、新型RXでは、リアセクションを全面刷新してマルチリンク式サスペンションを採用。これだけで、基本の走りと乗り心地は、先代モデルより大きく向上するものと思われるが、トップグレードである「RX500h F SPORT Performance」には、ある「飛び道具」が採用されている。電動化技術を活用した4WDシステム「DIRECT4」だ。
リアに高出力モーターである「eAxle」を搭載し、新開発のハイブリッドシステムとの組み合わせによって、緻密な四輪駆動制御とパワフルな走りを実現。クルマとドライバーが一体化したような思い通りのコントロールを楽しめるという。トヨタのハイブリッドシステムで「E-Four」という四輪駆動システムがあるが、リアモーター出力が全く異なるため、「DIRECT4」は異次元の走りを見せてくれるだろう。
インテリアも、先代モデルは機能性とスポーティな雰囲気が強調されていたが、新型では開放感のある広がりと包み込まれるような空間を両立させ、エレガントな雰囲気に生まれ変わった。運転をする際の心地よい緊張感を柔らかく包み込んで楽しさに変えてくれる、そんな印象を受けた。
妥協的な電動化を「武器」に変えている
ラグジュアリーSUVにとって重要なのは、まずはデザインだと思われるが、ライバルひしめくこのカテゴリーで、レクサスならではの個性や特徴を出していくというのは簡単なことではないはず。「どことなく◯◯に似ている」と思ってしまえば、高級車としての魅力は半減してしまうからだ。
新型RXのデザインは、RXらしさとレクサスのコンセプトを表現しつつ、しっかり個性が表れている。また、単に高級感のあるデザインではなく、良い走りを想起させるイメージが表現されている。見て美しいだけでなく、しっかり所有欲も満たしてくれるようなディテールであり、クルマを走らせるのは楽しいことなんだということを直感的に提供してくれる、そんなデザインに感じられる。
もちろんデザインだけでなく、走りのメカニズムにも相当こだわっている。電動化は、内燃機関エンジン車の迫力と面白さを知っている世代には妥協的に感じてしまうところだが、RXでは最新の技術で、それをクルマ本来の面白さを伝える武器に変えている。
「スピンドルボディ」など挑戦的なディテールもありながら一つ一つに意味があり、それを支持するメカニズムに妥協がない。他メーカーから乗り換えても、現行RXオーナーが買い替えても、十二分に満足いくクルマに仕上がっているといえる。売れない要素が見当たらず、新型RXは、偉大な先代を超える存在へと成長するだろう。
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新型RXの日本でのデリバリーは、2022年秋頃から、とのこと。次世代のラグジュアリーSUVの動向に注目だ。
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