車両電動化が求められるなか、世界のさまざまな自動車メーカーが「100%電動化を目指す」等の宣言をし、実際に続々とバッテリーEVをはじめとした電動車が登場している。もはや新型車で純ガソリン車が設定されれば、ほっとするレベル。うかうかしていると、あっという間に純ガソリン車がラインアップから消えてしまいそうだ。
本当に実行されるかどうかはさておき、少なくとも東京都は「2030年以降、純ガソリン車および純ディーゼル車の販売は禁止する」と公言している。そうでなくとも日本政府は2050年の時点でカーボンニュートラル社会宣言を出しているので、そうなるとハイブリッド車を含むガソリンエンジン搭載車は売れなくなる(商売にならないからガソリン販売所もどんどん減っていって買えなくなる)。
自動車の寿命を10~15年と考えると、新型車で買って思う存分使い尽くすなら、ならそろそろ「純ガソリン車」の場合は最後のチャンスだということになる。「最後のガソリン車」としておすすめしたいモデルを5つ、ご紹介しよう。
文:立花義人、エムスリープロダクション
写真:TOYOTA、NISSAN、SUZUKI、MAZDA、ベストカー編集部
ガソリン車であればこそ良さが光る!! スズキ「スイフトスポーツ」
「スイスポ」の愛称で親しまれ、ホットハッチを代表するにふさわしい一台、スズキ「スイフトスポーツ」。現行型は2017年9月にデビューしたモデルで、ダウンサイジングコンセプトの1.4L 直噴ガソリンターボ搭載している。スイスポは「軽さ」を武器とした軽快な走りが特徴。現行型は先代モデルより80kg軽い970kg(6速MT車)を実現しながら、ボディ剛性の向上も果たしている。この軽さは、ガソリン車ならではだ。
スタビライザーやコイルスプリング、ブッシュ類はスイスポのために専用チューニング。サスペンションシステムは支持剛性の向上や車両姿勢の適正化を徹底し、歴代モデルに採用されているモンロー製のショックアブソーバーで質感の高い走りを楽しめる。
これだけの内容のスポーツカーが200万円程度で買えるのははっきり言ってお得。スイスポは2023年秋頃にフルモデルチェンジすることが予想されているが、新型はマイルドハイブリッドになるという噂なので、現行型が「最後の純ガソリンスイスポ」になるかもしれない。
ガソリン車の軽快さをオープンエアで楽しむなら!! マツダ「ロードスター」
「2人乗り小型オープンスポーツカー生産累計世界一」としてギネスブックに登録され、今もそれを更新し続けている、マツダ「ロードスター」。世界で一番愛されているオープンカーといって過言ではないだろう。
現行型は2015年にデビューした4代目。初代から貫く2ドアオープンのパッケージングにFRレイアウト、フロントミッドシップに搭載された1.5L 直噴ガソリンエンジン、初代に迫る990kgの軽量化ボディ、前後重量配分50:50の設定。見えないところで計算し尽くされた走りのためのメカニズムとオープンエアの心地よさが渾然一体となり、ドライバーの気持ちを高揚し続ける。
マツダが目指す「人馬一体」の走りを限りなくピュアに味わえるのがこのロードスターだ。マツダは2030年に100%の電動化を目指すと発表しているので、もしかしたら現行型が最後の純ガソリンロードスターとなるのかもしれない。
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