ジェイアールバス関東
ジェイアールバス関東では民営化後に国鉄の付番ルールを踏襲しつつも時代に合わなくなった部分を変更した。形式としてはアルファベット1文字+3桁の数字-5桁の数字だ。
最初のアルファベットは床の高さを表す。LMHSDOの各文字が使われ、それぞれ低床、標準床、ハイデッカー、スーパーハイデッカー、ダブルデッカー、その他を表現する。
数字1桁目は車種だが小型は1、路線車の長さにより2-5、観光・高速車は6、その他の特殊用途は7と定義される。2桁目は座席の形式とトイレの有無で1-7が割り当てられる。3列リクライニングシートでトイレ付きの場合は7だ。
面白いのは、日本では現在は運行が許可されていない寝台席も8として定義していることだ。
3桁目はシャシーメーカーで1がいすゞ、4が三菱ふそう、7が日野で8が日産ディーゼル、0がその他だ。年式はハイフン後で西暦下2桁で表示される。
次は扉とサスペンションの組み合わせで1-6が定義されている。代表的な高速バスで使用されるトップドア・エアサス車は4だ。最後の2桁は車両固有の一連番号だ。
これが東京都交通局の場合となると……
複雑だが多くの情報を得られるJRグループとは異なり、都営バスは覚えれば非常にわかりやすい。形式は1文字のアルファベット-1文字のアルファベット、3桁の数字+カッコ書きで営業所名だ。
最初のアルファベット1文字は所属している営業所または支所が割り当てられている。現在は19営業所・支所が該当するものの車両側面を見れば漢字で書いているので知らなくても問題はない。
ハイフン後のアルファベットは導入年度を表現する。東京五輪で大量導入された2021年度はGである。よって2022年度はHということになる。
識別がしにくいIとOとQ、それに割り当て実績がないJとUを除く21文字が順番に当該年度に割り当てられるので、1周すると21年になり、都営バスでは車齢21年というバスはほぼないので番号に重複はない。
現在のところ2005年度導入のN代がわずかに残り、2022年度導入のH代までが活躍している。3桁の数字のうち百の位は用途により割り当てられ、下2桁は一連番号だ。カッコ書きの営業所名は見たままで、最初のアルファベットに対応している。
あの西日本鉄道はメーカー縛り!?
長くなってきたので、最後にみんな大好き西鉄グループの付番ルールだ。西鉄は非常にシンプルで営業所略号と4桁の数字のみだ。最初の1桁目でシャシーメーカーを表し、下3桁が一連番号だ。
所属営業所名は番号の前に丸印の中に漢字やカナの略が入ることで表現する。基本的にグループ内の他社に車両が転属しても、丸印の営業所表示が変わるだけで番号は変わらない。
西鉄は以前はバス車体製造メーカーである西日本車体工業をグループ内に持っていて、自社でバスを製造していた。そして末期は日産ディーゼルの指定車体になったことから西鉄では日産ディーゼル車の採用が極端に多くなった。
当初は最初の1桁目の数字が1・2がいすゞ、3・4が三菱ふそう、5・6が日産ディーゼル、7・8が日野と定義されていた。しかし日産ディーゼル車が多くなり9も割り当てて対応した。
現在では日産ディーゼルが国内向けにバスを製造していないため、当該番号を輸入車に割り当てたり、マイクロバスに割り当てていた0を連節車やはかた号専用車(0001と0002)に割り当てたりと、若干の例外はあるが概ねこの付番で問題なく識別ができる。