バスには登録番号(いわゆるナンバープレート)の他に、自社や自局独自の番号(社番・局番)が付いているものも多い。これには何の意味があるのだろうか。いくつかピックアップしてみたので、バスマニアにもそうでない方にも、バスに乗るときのちょっとしたウンチクとして楽しんでいただければ幸いだ。
文/写真:古川智規(バスマガジン編集部)
【画像ギャラリー】車両番号にはどんな意味はあるの?(11枚)画像ギャラリーバス会社や交通局によってつけ方のルールは異なる
パスの車両番号は社番とも言われ、バス会社(交通局/以下、社局)によって独自に決められているので、記号や数字の桁数も多岐にわたる。それゆえ、得られる情報も社局により異なる。すべてを網羅することはできないので、いくつかの社局を例に取り上げる。
ナンバープレートの数字部分をそのまま社番に転用しているケースもあれば、それに記号を加えて営業所を表示するケースもある。あるいはまったく違った独自の付番ルールを採用している社局もあり分かれば面白い。
JRグループの前身は国鉄バスなので……
JRグループのバス会社8社は、その起源を国鉄バスに持つので当初は国鉄の番号(車両称号という)のルールを踏襲していた。しかしその内容が時代にそぐわなくなり、各社保有の車両整理上、不都合を生じることが多くなったために付番ルールは国鉄っぽい形式にはなっているが各社で意味が異なる部分がある。
基本となる国鉄バスの付番は3桁の数字-4桁の数字からなっていた。1桁目は国鉄が定めた車種でマイクロバスから貨物車(トラック)まで1-0が割り当てられていた。
2桁目は形式で目的により旅客車(座席の形状により1-4)、貨物車(荷台や機関の形式により1-7)が割り当てられていた。3桁目はメーカーで、この場合のメーカーとはシャシーメーカー(エンジンや骨組み)のことを指す。
ハイフンの後の4桁数字の1桁目は西暦年の下1桁だった。2桁目は車両の装備で冷房とエアサスの有無により決められていた。3-4桁目はその車両固有の一連番号だった。
よって744-7902という例では国鉄専用形式の高速車・リクライニングシート・三菱ふそう製・1997年式・冷房付エアサス車の2番目に導入された車両ということになる。非常に多くの情報が得られるのが国鉄の車両称号だった。