■韓国のパーツサプライヤーに訊いたセキュリティの現状
さて、話をCANインベーダーに戻そう。先日、自動車部品関連業者の展示会を取材したところ、韓国のサプライヤーが興味深い展示をしていた。
それはSAMBO MOTORSという企業で、聞けば現代や起亜はもちろんのこと、日本の日産自動車(資料を見ると直接の取引はジヤトコのようだが)などにも部品を供給しているといい、部品の開発能力や生産品質は高いレベルにあると思える。
今回はEVやFCV用の部品供給をパネル展示でアピールするとともに、コマンダーによる車内装備の操作例として動画や音楽などのコンテンツが楽しめるデモが展示されていたが、車両のセキュリティシステムの資料も並べられていた。
そのセキュリティシステムの概要図を見ると、スマートフォンと車両側ECU、そして車内の操作系の間でやりとりするデータはすべて暗号化されており、外部からのハッキングを防ぐ効果は高そうだ。その一方で、ECUから車体の各部に張り巡らされているマイコンのネットワークは通常のCAN通信のままで、暗号化されているという表示はない。
エンジニアにそれを確認すると、やはり現状ではECUからパワーシートやオーディオ、ドアロックやエンジン始動の制御に対する信号は暗号化されていないそうだ。
この部分まで暗号化すれば、CANインベーダーによるハッキングは防ぐことはできるかもしれないが、そのためには末端までのネットワークにより高度なレベルが要求され、使用するマイコンのコストも跳ね上がることになってしまう。
それに暗号化によりハッキングを防げるのも、はたしていつまで通用するか分からない。どんなにセキュリティを高度化してもセキュリティホール(構造上の欠陥)はなかなか潰しきれないし、開発や緊急時のためのエマージェンシーなモードは絶対に必要だからだ。
結局、セキュリティは護る側と破る側のいたちごっこが続くのである。
■CANインベーダーによる盗難被害、どうしたら防げるか
クルマの横で番犬でも飼うのが一番効果的だが、現在は大型犬でも屋内で飼育するのが主流であるし、無闇に吠えると近所迷惑にもなりかねないから、現実的には厳しい。
タイヤロックは一見、効果がありそうだが大型SUVの場合、無理矢理走らせるとタイヤロックが破壊されて外れてしまうケースもあるようなので、SUVなどタイヤの大きな車種は頑丈なチェーンで各ホイールを回らないようにロックしたほうがいい。太い鎖やワイヤーも切断できないわけではないが、ある程度の抑止力にはなる。
同じようにハンドルにステッキ状のバーを取り付けるハンドルロックもあるが、ハンドグラインダーなどで切断したり、ステアリングのリムを切断することで軽々とロックを外してしまうクルマ泥棒もいるらしい。窃盗団が盗みにくい、盗むのに時間がかかると思わせるようにこうした対策を2つ、3つ講じることも効果的だ。
もし、窃盗団にCANインベーダーを使われた場合、クルマの制御部分にダイレクトにつながってしまうため、現状、防ぐ手立てはないとされる。
最新の防犯装備、セキュリティシステムのゴルゴやパンテーラの場合、フルセットで高額(30万~35万円)なシステムではあるが、それでも過信すべきではない。
またカーセキュリティの多くは2週間程度エンジンをかけないとスリープモードになってしまうが、そのスリープモードを外し、週に1回はエンジンをかけるなどの対策も必要だ。
防犯カメラによる犯行映像が報道されているが、防犯カメラはあまり抑止力にはなっていない。目出し帽などを被って犯行に及べば、個人の特定が難しくなるからだ。いずれにせよ、盗み出すには面倒な環境のクルマは後回しにされて、盗みやすいクルマから狙われるのは間違いない。
絶対に盗まれたくなければ、目の届く範囲内で、シャッター付きのガレージやフェンスなどで囲まれたガレージなど厳重な保管場所に停め、最新の防犯装備を付けつつ、補助的な時間稼ぎ用のハンドルロックやタイヤロックを付け、しっかりした盗難保険に加入することだ。
【画像ギャラリー】完璧に防ぐ方法はない!? 新たな盗難手口で狙われるトヨタやレクサスの高級車たち(10枚)画像ギャラリー
コメント
コメントの使い方何だこの中学生以下の記事は?
内容が全くない、強いて言うならただの韓国アゲ。