■日本のEVはソルテラのみ
明暗はデトロイトショーにまざまざと現われました。
D3のブースには生産予定のEVが数多く並ぶなか、日本勢ではスバルの「ソルテラ」のプロトタイプが1台置かれているだけで、トヨタのブースには「bZ4X」を含めEVの姿はまったくなかったのです。
トヨタのEV戦略の初動に躓きがあったことは否定できません。
バイデン大統領はD3の提供するEV体験型アトラクションを楽しんだと報道されていますが、トヨタのブースに立ち寄ることはありませんでした。
事実、GMの新型EV「エキノックス」をはじめ、D3のEV新商品は非常に魅力的に見えました。
3万ドル強(税額控除後はわずか2.5万ドル)で購入できる「エキノックス」が米国消費者に受け入れられる可能性を感じ、「RAV4」や「CR-V」で競争力を発揮してきた日本車メーカーの立場は脅かされていると言えます。
日本車メーカーはハイブリッドの高い競争力に慢心することなく、出遅れたEVの挽回を真剣に目指さなければならないと痛感させるショーであったのです。
●中西孝樹(なかにしたかき):オレゴン大学卒。1994年より自動車産業調査に従事し、国内外多数の経済誌で人気アナリスト1位を獲得。著書多数
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コメント
コメントの使い方ルールに従えないなら、退場するしかない。カリフォルニアに続いてニューヨークも2035年までに100%EVの方針を出しました。2026年までに35%のEVを求められます。4年後までに売れるEVを持っていないメーカーは米国市場から消え去るしかありません。業界関係で聞く話では時間的に対応が難しいメーカーが既にあります。死物狂いでやらないと本当にまずいですよ。
現実に即さず地球環境にも顧客にも負担になるBEVを、政治や株主圧力の為に売り逃げしようと積極的なメーカーは、日本にはなかったというだけの話