世界各国の自動車メーカーによって、実にさまざまなクルマがラインアップされている。自動車メーカーは、そのクルマの存在を広く世間に知ってもらうために、もしくはそのクルマの魅力をターゲットユーザーに的確に伝えるために、キャッチコピーをつくり、カタログやさまざまな広告を展開しているが、なかでもテレビCMは、印象に残るものも多く、「なるほど」「こうきたか」と、脱帽させられることも多い。
2022年に登場した新型車のテレビCMのなかで、気になった作品をいくつか振り返ってみよう。
文:吉川賢一
写真:TOYOTA、NISSAN、SUZUKI
「シエン太」が可愛すぎる!! トヨタ新型「シエンタ」
「いくよ、シエン太!!」のフレーズで始まる新型シエンタのテレビCMは、キャッチーでどこか懐かしいテーマ曲にのって、まるでぬいぐるみのようなかわいさの犬の「シエン犬」(ポメラニアンとトイプードルのミックス犬で、犬種はポメプーという)が、シーンごとにシエンタへと「ポンッ」と変身する。
楽しさと可愛さに溢れており、かつキャッチーで、「みんな乗れた!」 「全部運べた!」 「じょうずに通れた!」 「しっかり止まれた!」 「いいことできた! シエンタ!」と、シエンタの魅力をしっかりアピール。最後には、「ちゃんと帰れた!」と、シエン太が後ろ歩きをして締めくくる流れは、実にほっこりとする。シエン太の可愛さに引き寄せられて、新型シエンタも、人気がうなぎ上りになるに違いない。さすがはトヨタだ。
ちなみにシエン太役を演じたのは、13歳のオス犬の長十桜(ちょうじゅうろう)君だ。ドイツ生まれで、頭も良くて遊ぶことも運動も大好き、またトレーニングも大好きで、環境の変化に強く、物怖じしない性格だそう。遊びにも普段の足としても最適なシエンタをイメージさせるのに、ぴったりの配役だ。
マカロニえんぴつのテーマ曲がマッチ!! 日産「サクラ」
俳優の松たか子さんが出演している日産サクラのテレビCMも印象的だ。「私の軽は、充電100パーセントから始まる」のフレーズから始まり、サクラが走ると桜の花びらが周囲に舞い散り、また、急な坂道であってもグイグイと登っていく。サクラの力強さが存分に伝わる内容で、松たか子さんの自然な演技と、サクラの颯爽とした雰囲気と走りは、見てみてすがすがしい。
「電気の時代だね!!」と締めくくるフレーズや、爽やかなポップソングが絶妙にマッチしていて、「乗ってみたい」と思わせてくれる。ちなみにテーマ曲は、ポップスロックバンド「マカロニえんぴつ」の新曲「たましいの居場所」に、松たか子さんも歌をあわせたCM向けのオリジナルバージョン。中身は全く同じである兄弟車、三菱「eKクロスEV」のCMの「これが軽なの!?? ねえ!!?」というフレーズも素晴らしいと思うが、それとはまた違ったアプローチで、サクラのイメージによく合っている、秀逸なCMだと思う。
寺田心くんがいつの間にか男前に スズキスペーシア
継続的に更新されている、スズキ「スペーシア」のテレビCMも面白い。スペーシアのテレビCMが登場したのは2020年ごろのこと。筆者が注目しているのは、出演している寺田心君の成長度合いだ。初期のCMでの寺田心君は、芦田愛菜さんの弟キャラクターに姿も声もぴったりだったが、それから2年が経った現在、身長が伸び、声変わりも始まりつつあり、男前なキャラクターへと一歩進化している。
2022年9月から放映されている最新CMでは、「お姉ちゃん恋でもしているの??」「何言っているの!?」のやり取りで、見ている側をほっこりとさせてくれる。身長も、芦田愛菜さんとほぼ同じだ。寺田心君の身長のように、スペーシアの販売も順調のようで、どちらも今後が楽しみだ。
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