【ヴィッツ、プリウスらが変えた!!】平成の大逆転自動車史 7選

【4】「環境に悪い」イメージを変えたディーゼルエンジン

マツダのSKYACTIV-Dを初搭載したのは初代CX-5。以降、マツダの主力エンジンとして、従来のイメージを払拭するクリーンさを訴求。CX-5は現在2世代目に突入した

1999年(平成11年)に石原慎太郎都知事(当時)が「ディーゼルNO作戦」を展開。ディーゼル車は空気を汚す厄介者とされ、日本ではこのまま駆逐されていくのではないかとさえ思われた。

しかし、技術は素晴らしい。コモンレールシステムやDPF(排ガス後処理システム)などの進化により、強化されるいっぽうの排ガス規制を次次にクリア。もともとの燃費性能のよさもあって、今ではエコカー減税やグリーン税制の対象となっているのだからこれは大逆転と言えるだろう。

一方で、欧州ではフォルクスワーゲン、ベンツ、BMWなどのディーゼル排ガス不正問題も発覚し、シェアを落としているという現実もある。

日本の乗用車メーカーでディーゼルエンジンの可能性を信じ、進化させているのはマツダだけだが、ポスト平成ではどうなっているか。大いに注目していきたい。

【5】3気筒エンジンにも新たに脚光

3気筒といえば軽自動車かリッターカーのエンジン。それがこれまでの常識だった。「ミーン」というチープな音が郷愁を誘ったものだが、ダウンサイズターボブームが予想以上に進み、今やBMWの主力エンジンになっているのだから驚く。

BMW 318iに搭載されている1.5Lガソリンターボは136ps/22.4kgm。1シリーズやBMWミニには同じく3気筒、1.5Lのディーゼルターボもあるなど、3気筒大出世である。

日本車ではまだ3気筒の立ち位置は変わっていないが、カローラスポーツに1.6L、3気筒ターボが追加されるという情報もある。それが日本の新しい3気筒エンジンの幕開けとなりそうだ。

【6】少数派から多数派となったハイブリッド車

1997年に登場した初代プリウス。当初はバッテリー性能にも不安があり、トヨタをもってしても販売は好調とは言えなかったが、今や爆発的人気に。まさに大逆転の象徴だ

1997年(平成9年)、究極のエコカーとして登場したプリウスは、世界初の量産ハイブリッドカーとして歴史に残るクルマ。当時、海外のみならず日本のメーカーからも「ハイブリッドは主流になれない」という意見が出ていたが、それは間違っていたことが今、証明されている。

1999年(平成11年)には初代インサイトが登場。プリウスに比べてシンプルなシステムだったが、徹底的な軽量化を図ったホンダの意地で、燃費性能ではプリウスを凌いだ。

あれから19年。日本車は多種多様なタイプのハイブリッドカーが出揃い、欧州勢も48Vの簡易型で巻き返しを図ろうとしている状況。ニッチ商品扱いから、なくてはならない主力に成長したのだから、これも大逆転と言えるだろう。

【7】今や普通になってしまった全幅1800mm

現行型シビックの全幅は1800mm。かつて5ナンバーだったことを思えば隔世の感がある。今や大型セダンやミニバンに限らず、全幅1800mm以上の車は多い

平成の30年間はクルマの肥大化が進む時代だった。

1990年(平成2年)に売られていた乗用車で最も全幅が広かったのは初代センチュリーの1890mm。最高級セダンだったセルシオ(初代)が1820mm、インフィニティQ45が1825mmで、1800mmを超えるのは「巨大」と思われるような時代だったのだ。

今はといえば、セルシオの後継であるレクサスLSは1900mm、LCは1920mm、NSX1940mmと超大台がゴロゴロしているうえ、シビックやスバル XVなどのミドルクラスでも1800mmがあたりまえになってしまっているのだ。

もはや全幅1800mmは特別な時代ではなくなってきた。どこかで歯止めがかかるのだろうか。

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