クルマは手に入れた瞬間から価値が落ちはじめ、長期間・長距離乗るほどに、価値(査定額)が下がっていくのが一般的。しかし昨今は、新車の供給不足によって、「中古車バブル」と呼ばれるほどに中古車価格が上昇している。
走行距離の少ない新古車では、新車価格を大幅に超える査定が頻発しているが、3年落ちのクルマであっても、新車価格をこえる価格で売却できる可能性も。新車購入から3年目といえば、車検のタイミングもあり、手放して次のクルマへ…と考える人もいるだろう。新車価格を超えないまでも、ほとんど変わらない価格で売却できれば、カーライフコスト(購入から売却までにかかる費用)を抑えることができ、非常にお得。浮いたお金を、クルマを使ってのレジャーに回すことだってできる。
今回は、3年乗っても査定額が落ちにくいクルマ(スポーツカーは除く)を5つご紹介しよう(注:本稿での中古車相場価格はすべて、業者向けオークションでの価格であり、買取店での下取り時の査定水準は、この価格より下になります)。
文:吉川賢一
写真:TOYOTA、SUZUKI
トヨタ「ランドクルーザー(200系)」
日本を代表するクロカンSUV、トヨタ「ランドクルーザー」。リセールがいいクルマとして、ご存じの方も多いことだろう。現行モデルは10代目(300系)へとモデルチェンジしているが、先代の9代目(200系)もリセールはいまだに高い。
ランクルは、なかでも最上級グレード「ZX」の人気が高く、2022年現在の3年落ちというと、2019年モデルとなるが、2019年当時、新車販売価格が税抜で当時632万円だった200系ランドクルーザー「ZX」は、2022年10月末時点で、700万円を超える相場となっている(走行距離5万キロ以下)。
ランドクルーザーのリセールがいいのは、パキスタンなどの中東地域で人気があることが理由。現地で正規トヨタディーターからランクルを購入するとなると、日本での市販価格の数倍の値段となるそうで(しかも選択できるグレードも少ない)、日本から上質の中古車を輸出して持っていくほうが、グレードも選べて安く手に入るという。3年乗ったうえで、買ったとき価格よりも高く売れる場合もあるという、大変お得なクルマだ。
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トヨタ「ランドクルーザープラド(150系)」
ランクルの弟分、「ランドクルーザープラド」も、リセールの高いクルマとしてご存じの方は多いだろう。現行型は2009年に登場した150系だが、2017年にフェイスリフトをともなうビッグマイナーチェンジをうけており、この後期型の人気が高い。
プラドも最上級グレード「TX Lパッケージ」の人気が高く、この「TX Lパッケージ」2019年モデルの当時の新車販売価格は税抜393万円だったが、2022年10月末時点で、約500万円という相場となっている(走行距離5万キロ以下)。
高相場となっているのは、ランクルと同じく、パキスタン行きが多いことが理由だ。ただし、パキスタンはたびたび中古自動車の輸入を禁止することがあり、そうなると、100万円前後、相場が下落することもある(これはランクルも同様)。売り時の判断は難しいが、ランクル同様にお得なクルマであることは間違いない。
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