円安で日本車の「質の高い中古車」が買い漁られる危機 さらに値が上がる前に買っておきたい「ネオクラシック車5選」

■ビートや軽トラなどはあまり内外価格差は見られない

 海外でのJDMを特集したYoutubeなどでもよく見るホンダビートや、最近人気が出ている軽トラに関しては、それほど大きな内外価格差は見られなかった。

 ビートの中古車は全国で160台ほど、その平均価格は約106万円。アメリカの過去のオークションの平均価格は7500ドル近辺、110万円程度なのでほぼ内外価格差はない。最近はビートの価格はどちらかというと下落傾向にある、と関西のビートの取り扱いが多いショップの方が教えてくれた。

 軽トラは、海外では巨大な農場で農作業を行うときなどに狭いところでも入っていかれて小回りがきき、ピックアップトラックに乗せて運ぶこともでき、壊れずガソリンも食わず安い、ということで最近人気が出ている。

 だが、プレミアムをつけて買うクルマではなく、乗り潰すクルマということと、日本の在庫量が海外の需要に対して極めて多いため、こちらも円安の影響は大きくないようだ。

■どれぐらいの内外価格差があるとクルマは海外に出て行ってしまうのか

 程度のいい中古車が海外に出て行ってしまうリスクが高まっているが、どれぐらいの内外価格差があるとクルマは海外に出て行ってしまうのだろうか。

 まず、アメリカ西海岸に通常の乗用車を輸出する場合、クルマのエンジン種類や大きさ、受け取り方にもよるが、船賃と輸出・税関手続き費用でざっくり40万円ほどかかるようだ(船賃は変動するので注意が必要)。

 加えて、クルマの価格に対してアメリカでの関税(2.5%)、輸入諸費用がかかるので3%ほどが必要。また、アメリカでレアなクルマを売る時に一般的なオークション出品費用が、落札価格の5〜15%程度必要となる。

 一方、日本でクルマを仕入れた時に支払った消費税10%は還付され、また少額だが自動車税も日本国内で登録抹消を行うと還付される。

 非常にざっくりした計算だが、日本にて500万円で売られているクルマを買って、アメリカに持って行ってオークションで売った場合、買値よりも数十万円ほど高いドル建価格で売れれば儲けが出ることになる(海上輸送の保険は考慮に入れていない)。あれ、輸出するにはもっとコストがかかるのでは? と筆者も思ったが、10%の日本の消費税の還付が大きい。

 アメリカでの日本の旧車の人気とそのドル建価格が変わらないとすれば、比較的安い輸出コストと円安のせいで、今すぐにではないかもしれないが、優良な個体はどんどん海外に流出していく可能性が高い。海外で人気のクルマは、日本ではもう絶滅危惧種なのかもしれない。

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