軽さによるデメリットは?
クルマが軽い場合のデメリットは、軽さそのものというより、クルマを軽く仕上げるための設計や素材選びから生じているケースがほとんどだ。
まずは安全性だ。最近のクルマは軽くてもしっかりとした剛性が確保されているが、やはり絶対的な強度では強固なフレームを持つ重量級に及ばないことが多い。ただし、同じスピードでぶつかった際には、運動エネルギーは軽いクルマのほうが小さく、搭乗者が受ける衝撃も小さくなる。つまりダメージが軽減される可能性が高いが、これは車体の剛性との相関を考慮する必要がある。
次に考えられるデメリットは乗り心地。どちらかというとフレーム剛性が低めになる軽いクルマは、走行中にたわみが大きくなり、さらに軽量ゆえに路面の起伏を乗り越えた際の挙動も敏感になることもあって、乗り心地は重いクルマに引けを取る。もっとも、この機敏さがライトウェイト車の魅力とも言えるのだが。
ライトウェイト車は各部の無駄を切る詰めることによって軽量に仕上げられているのだが、そのぶんクルマとしての寿命が短くなることもある。やはり、がっしりとしたクルマは劣化しにくいのは間違いない。
このように「軽いのが正義」は、こと乗用車においては当てはまらないケースもある。とはいえ、軽量なクルマをキビキビ走らせるのが楽しいのもまた事実ではある。
続いて、普通車の軽量級と重量級の代表車種を見ていくことにしよう。
軽量ナンバー1はあのクルマ!
ここからは、軽自動車を除く国産普通車の車重ランキングをチェックする。普通車と言ってもスポーツカーからミニバンまで存在するが、ここはすべての「普通車」をひとくくりにした。近年はクロスオーバーモデルも増えていて、カテゴリーの線引きが明確にしづらいという理由もある。
ランキングはベストカーウェブの調べによるものだが、資料によって多少の違いが出ることはある。その点についてはご容赦してほしい。また、今回は今世紀になってから販売された国産車に絞っている。これは安全基準の異なる20世紀のクルマが軽量の上位を独占してしまい、現在の実情に合わないためだ。
では、まずは軽量なクルマのトップ3を紹介する。
車重850kgで第3位に入ったのはスズキ イグニス。2016年に発売されたこのモデルは、コンパクトなクロスオーバーSUV。1.2リッターエンジンを搭載する5人乗りにもかかわらず、これだけの重量に抑えたのはさすが。
第2位はスズキが送り出すスポーティFFコンパクトカーのスイフト(4代目)。ガソリンエンジンのみやハイブリッドなど、バリエーション豊富なパワーソースが特徴のスイフトだが、マニュアルトランスミッション2WDのXGは車重840kgと軽い。
そして輝く21世紀の国産軽量車第1位は、ダイハツのミラジーノ1000だ。2002年にリリースされたミラ ジーノ1000は、すでに販売されていたミラ ジーノの上位モデルで4人乗りの5ドアハッチバックリッターカー。グレードによって車重に変動はあるが、一番軽いモデルの車重はなんと780kgだった。
スポーツカーが上位を占めると予想された国産軽量車トップ3は、少々意外な結果になった。もっとも、ライトウェイトスポーツカーは、今世紀では絶滅危惧種に数えられてしまうほど貴重なものとなっているが。
1&3位に共通しているのは、いずれも燃費を重視しているということ。この軽量級ランキングを見ると、やはりクルマが軽いと燃費が良くなることが理解できる。そして2位にスポーティな性格を持つスイフトが入ってスポーツモデルの面目(?)を保った。
コメント
コメントの使い方「同じスピードでぶつかった際には、運動エネルギーは軽いクルマのほうが小さく、搭乗者が受ける衝撃も小さくなる」
相手がいる衝突では、重い車が相手を押す力が強くなるので、重い車のほうが衝撃が少なくなる
相手を押さない壁などへの衝突では、人の重量のみが評価されるので、等価になる
重量税を安くあげたいこともあり、10年前に車を購入する際に、当時の新車で1t切りの車を探して、デミオのMT車にしたくらいには重量を気にしています。
フィアット500も検討したけど、1t切りの車種がなくて候補から外したものです。
軽い車はちょっと移動させる際に、手で押しても苦にならない点もメリットですね。
500は意外と重いんですよね。