空間認識能力が低下している
空間認識能力とは、物体の形や大きさ、速さ、物体同士の距離関係などを正確に認知する能力のこと。この能力が乏しいと運転時の車間距離のとり方がうまくできない、人や障害物を上手く回避できない、状況に合わせたスピード調整ができない、スムーズな駐車ができなくなる。
高齢者の事故率が高くなる原因のひとつも、加齢による空間認識能力の低下と考えられている。
空間認識能力は子どもの頃に鍛えるのが一番と言われているが、大人になっても以下のような方法で鍛えることは可能だ。
1.テーブルの上に物を置き、それを目を閉じて取る。物を置く位置をいろいろ変えてみて、何度も行う。
2.安全な室内や公園で5mほど先に目印をつけて目印までの距離感を視覚で確認してから目を閉じ、視覚で確認した距離感を頼りに目印の位置まで歩き、また元の位置に戻ることを繰り返す。
1と2のトレーニングに共通することだが、背すじを伸ばして姿勢を正して行うことが重要となる。背すじが丸まった状態であると体の軸がぶれてしまい、トレーニング効果が低下してしまうからだ。
また、ジグゾーパズルも効果的と言われている。組み立てていく時に完成図をイメージしながら行うと効果を高められる。ゲームセンターのクレーンゲームもお薦めだ
車両感覚がうまくつかめない
駐車が苦手、狭い道で走るのが苦手な原因のひとつとしてあげられるのは、目線が低すぎることだ。
目線が低すぎるとボディの端が見えづらくなり、周囲のクルマや人、障害物との距離感がつかみづらくなってしまうのだ。そのため、車両感覚に自信がない人は、SUVのように車高が高いクルマのほうが見切りが良く、距離感はつかみやすいのでお薦めだ。
ちなみに、前項目のように正しいドライビングポジションをとれば目線は適正位置に保たれるはずだが、身長が低めの人は目線位置が若干下がってしまうことも考えられる。そんな時は少しだけシートの高さを上げてみよう。
また、非常に原始的ではあるが効果的なのが、障害物のギリギリのところまで寄せる練習を何度も行うことだ。
具体的には、第三者に外でチェックしてもらいつつ、前の感覚がつかみづらい人はギリギリまで前進する、左右の感覚がつかみづらい人は左右ギリギリに車両を寄せるなどを繰り返し行う。これを定期的に行うことで前後・左右の車両感覚を体得できる。
注意力が散漫・集中力が続かない
注意力が散漫だったり、集中力がないといろいろなことを同時に行う、いわゆる「マルチタスク」をこなすことが難しくなる。運転時は視覚、聴覚などから受け取った情報を脳が処理し、その情報に従って手や足を動かすなど、さまざまなことを同時に行うことが必要となる。そのため、マルチタスクがこなせないと運転操作がぎこちなくなってしまうのだ。
関係のない余計な情報を入れないことがこの問題の第一の改善策。たとえば、音楽を聴いたり、同乗者と会話するなど、気が散ることを行わないということだ。音楽や会話に注意力や集中力を向けすぎると、信号を見落としたり、無理な割り込みをしてしまったりする恐れがあるからだ。
「そんなこと言っても同乗者がいてだんまりというわけにはいかないでしょ!」というなら、合流など、せめて自分が苦手なシチュエーションの時だけでも無言になって運転に集中するようにしよう。
効果には個人差があるが、グレープフルーツ、レモンなどの柑橘系の香りやペパーミントの香りは注意力や集中力を高めると言われているので、芳香剤などを使用するのも手だ。
また、注意力や集中力が低下する最大原因と言われる過労、心理的ストレスを排除する工夫をすることも必要だ。
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