ディーラーでは中古車確保も一苦労
トヨタ認定中古車として、全国で販売されているアルファードは500台超だ。しかし、3年落ちまでの超高年式車をターゲットにすると、186台と大きく絞られる。
また、この186台のうち、販売地域を全国へ広げているのはわずか18台しかない。残りの168台は同一都道府県内や自社(在庫ディーラー内)でしか売らないと決めている中古車になっていて、居住地域によっては、購入できるアルファードがほとんどないという状態が常態化している。
中古車展示場が大きなトヨタディーラーに話を聞いてみたところ、アルファードの中古車は、入ってくる量が極めて少なく、展示場に並べたら即売れていく状態だという。手間のかかる認定中古車サイトへの掲載や、利益の少ない全国販売にしなくとも、自社へ来店するお客様の中で、すぐに買い手がつく。そのため、ネットに載せる必要もあまり感じないようだ。
良質な個体は残価設定ローンの満了時期にあたり、ディーラーへの車両返却を選んだユーザーのモノがほとんどで、月に2台も買取ができればいい方。自社内で買取から販売までを行いたいので、買取専門店などにクルマが流れないよう、前オーナーに提示する買取額は非常に高いそうだ。そのため、整備を行い、利益をのせた中古車の販売価格が、新車の販売価格を超えることも珍しくないという。
新車の納期が長く、利益確定ができないディーラーの現状を助けているのが中古車の存在。中古車販売には今最も力が入っており、もちろんアルファードを希望するユーザーへの案内も行っているが、こちらも新車同様、売りたくても売るクルマがないという状態が続いているようだ。
各メーカーの各モデルで、新車の販売には苦慮するなか、アルファードのように、これほど早くオーダーストップし、長期間に渡って売ることができなくなったクルマは珍しい。
生産側も販売側も、そしてアルファードを求めるユーザーも頭を抱える状態があと半年近くは続きそうだ。今の苦労を吹き飛ばすような新型のデビュー、そして生産の安定化が早期に実現することを、筆者も切に願っている。
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