■輸入車ファストバック図鑑
欧州は半世紀前から、ファストバックの震源地だったが、ワゴンやそれに続くSUVブームに押され、一時は日陰の存在に。
それを救ったのが、2005年のメルセデスCLS(4ドアクーペ≒ファストバック)と、それに続くアウディA5およびA7スポーツバックのヒットだった。
欧州におけるファストバックの復権は、日本同様、セダン離れに原因がある。
もはやフォーマルなセダンを選ぶ理由がなくなるなか、SUVでは実現できないスポーティな走りと、カジュアルでスタイリッシュなスタイリングを両立させるには、ファストバックが最適だった。
全高を若干抑え居住性や積載性を犠牲にすることで、ライトな実用的スポーツカーの役割も担う。
ドイツ勢に続いて、現在激しくファストバック化を進めているのがフランス勢だ。今やフランス製高級セダンの需要などない。
そこでプジョー/シトロエンは、SUVに軸足を置きつつ、スタイリッシュな5ドアファストバックを用意するようになった。それがセダンに代わり、フラッグシップモデルの地位を与えられている。
なかでも注目すべきはシトロエンC5Xとプジョー408。どちらもホイールアーチガードを装着し、SUV風のデザインに仕立てることで、よりアクティブなイメージを演出している。
それはまさに、クラウンクロスオーバーの方向性そのもの!
期せずして日仏ほぼ同時に、同じ答えが出た。今後ファストバックは、SUVと微妙に融合しつつ、進化していく可能性が高い。
我ら古典的カーマニアとしては、シュッと速そうなカッコと適度な実用性を両立させたファストバックこそ、次期主力戦闘機の有力候補ではないか!?
私がごく最近、BMW3シリーズからプジョー508に乗り換えたのも、それが理由だ。もう後席に人が乗ることは稀。
荷物もさほど積む必要なし。よりスポーティでイケてるクルマで、おっさんライフを輝かせたいのだ! 涙。
■結論!
スタイリッシュなファストバックは、古典的カーマニア最後の桃源郷かもしれない! スポーツカーはムリでも、4枚ドアファストバックなら現実的! おっさんマニアはまだ死なんぞぉ!
【番外コラム】海外のファストバックスポーツカーは百花繚乱!
欧州ではセレブのパーソナルな乗り物として、ハイパフォーマンススポーツカー需要が旺盛だ。
それらは、スポーツカーの2大勢力であるノッチバッククーペ(カブリオレ含む)とファストバッククーペに二分されるが、優美なファストバッククーペがやや優勢。
ドイツ御三家やジャガー、アストンマーティンといったプレミアムブランドは、ファストバックの高級スポーツカーを多数ラインナップし、速さとゴージャスさを競っている。
【画像ギャラリー】けっこう辛口!!! 清水氏の「イケてるファストバック度」評をギャラリーでチェック!(12枚)画像ギャラリー
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