マイナーチェンジしたタントがV字回復! 開発者のたゆまぬ努力が実を結んだ!? 売れた理由はどこにある?

■タントカスタム、ファンクロスの走りは?

タントカスタムターボ。乗り心地は上質で加速もスムーズ
タントカスタムターボ。乗り心地は上質で加速もスムーズ

 お台場周辺をタントカスタム、ファンクロスを試乗したのだが、DNGAのボディはしっかり感があって、乗り心地も上質。お世辞でもなんでもないのだが「出来がいい」のひと言。

 前出の城迫さん曰く、「コンピュータの制御を変えて実用域に近いWLTCに合せていて、燃費はマイルドハイブリッドの他社さんのクルマよりもいい22.7km/Lを達成しました」。

 今、各社、後ろの荷室スペースが広く取られ、後席キツキツの4ナンバー軽商用バンの販売競争を繰り広げているが、このファンクロスは5ナンバーの乗用ワゴンだから、なんといっても商用バンとは違って室内の静粛性は高いし、乗り心地も上質。

 今年初めに乗った新型ハイゼットカーゴは、乗用ワゴンに肉迫していて軽商用バンには思えないと感じたものの、それでもタントには適わない。

■タントカスタム、ファンクロスを購入する人はどんな人?

軽か? と思えるほど作りがいいフロントマスク
軽か? と思えるほど作りがいいフロントマスク

 タントシリーズ共通となるが、全車助手席側のBピラーのないミラクルオープンドアを採用しているのが、N-BOXにはない最大のポイント。

 後席にベビーシートやチャイルドシートを置いている若い奥様には、この良さはわかってもらえるはずだ。後席から子供をストレスなく、スムーズに降ろせることができるからだ。

 これは後席やシートを倒して後ろのスペースをラゲッジにした場合も同じ。積み下ろしがスムーズに行える。そして、何気ないことだが、フロアが低く、乗り降りがしやすかったのも嬉しいポイント。

 タントカスタムは、20代の若い男性から、40代以上のオヤジ世代もいいと思う。あまりにもオラオラ顔で、おもちゃっぽいと敬遠したくなるが、実車を見ると「レクサスの軽自動車か? Lのエンブレムに替えちゃおうかな」と思ってしまうほど、高級感、上質感があったからだ。

家族3~4人乗りで1dayキャンプに出かけるのにピッタリなファンクロス
家族3~4人乗りで1dayキャンプに出かけるのにピッタリなファンクロス

 そしてファンクロス。軽商用のスズキスペーシアベース、N-VAN、そしてアトレー、ハイゼットカーゴ、エブリイは1人もしくは2人用のソロキャンパー向けだから、5ナンバー軽乗用ワゴンのファンクロスとは市場が違う。

 声を大にして言っておきたいのは、軽商用バンと大きく違うのが、静粛性の高さと乗り心地のよさ。街中を低速で走るに大差ないのかもしれないが、高速域は明らかに違うし、長距離走行においても疲れ方が違う。

 ファンクロスは3、4人乗ってファミリーで乗る、1dayキャンプ向けといえるだろう。週末はファンクロスでキャンプ場へ行き、テントを張って1泊するのもいいだろう。

 もちろん、フルフラットにもなるし、助手席を倒して、後席のシートを残したままでリラックスする、そんな使い方もできるのでソロキャンパーでもOK。

キャラが薄くなってしまいがちな標準車のタントだが、もちろんミラクルオープンドアも採用しており、素のよさが感じられる
キャラが薄くなってしまいがちな標準車のタントだが、もちろんミラクルオープンドアも採用しており、素のよさが感じられる

 開発責任者のダイハツ工業くるま開発本部製品企画部チーフエンジニアの秋本智之さんは、

 「実際にタントでスキーやキャンプ場に行きましたが、タントシリーズは日常使いとともに、ミラクルオープンドアのおかげで使い勝手がよく、こうしたレジャーの場所によくマッチすると思います。

 今回、開発チームが一丸となってよりみなさまに愛着を持って喜んで使っていただきたく頑張りました。ぜひアップデートしたタントシリーズを一度見て乗っていただければと思います」。

 筆者は、この試乗会に参加している最中、どうやってもN-BOXに適わないかもしれないが、ひたむきにタントをよくしようと頑張っている開発の人たちに触れ、売れるといいな、と思っていたが、10月のデータを見てビックリ。なんとN-BOXに対してたった1388台差という結果!

 開発者たちの努力が報われたーと涙がちょちょ切れそうになった。とはいえ、N-BOXを抜いたわけでもないため、今後の動向に注目していきたい。

【画像ギャラリー】見えない努力でN-BOXに追いつけ追い越せ!! マイナーチェンジで販売好調のダイハツ タント(12枚)画像ギャラリー

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