■言われなければわからない「気づかない、見えない努力」
これはタントシリーズ共通のものになるが、シートやラゲッジの使い勝手が大幅に向上しているのだった。そのあたりを、ダイハツ工業くるま開発本部製品企画部城迫崇嘉さんに聞いてみた。
―マイナーチェンジでどのあたりがよくなったのですか?
城迫さん―これまで、シートをチルトダウンすると段差があって改善してほしいという声をいただいていました。チルトダウンしても傾斜5~8度の間で残っていました。今回、それをほぼフラットに近い状態に、骨格を変えています。
―え~、シートの骨格まで買えたんですが、コストかかっていますね~。
城迫さん―リアシートの骨格、フロア含めて変えています。大げさになってしまうんですが、衝突安全性含めて変えています。
―ラゲッジスペースはいかがですか?
城迫さん―デッキボード下の空間ですが、デッドスペースではなく、+αの空間として使いたいと思い、専用の収納スペースを作りました。
リアシートの背もたれを垂直にできるようにしたので、四角い荷物を載せることもできます。私自身もバス釣りをするのでタックスボックスとかリールのケースを上に重ねたくなるんです。そうするとブレーキを踏んだ時に前に倒れてくる荷物があるんですよ。
そこで、ラゲッジ側のスライドレバーで、リアシートを垂直にしてしっかり四角いものが積めるよう、デッキボードを2段にしたことで、下の段に靴など分け入れられますし、荷室を分けて入れられますので、使い勝手はかなりよくなったと思います。
―自分で使ってみてこうなればいいなあと思ったことを具現化したわけですね。ほかに、痒いところに指が届くような改良点はありますか?
城迫さん―ランプ設計の人にぜひアピールしてきて! と言われていることが1つあります。ヘッドランプですが、前のモデルから、さらに細くするために、ハイビームが30mmしかないエリアに、ハイビームとADP(アダプティブヘッドランプ)の機能を入れています。
デザインさん含めて、かなり頑張ってやったそうです。これまでのモデルはリフレクターが構えているタイプだったのですが、今回のモデルは、後ろから直射を照らすプロジェクターを入れたため、薄くできました。
■タントカスタム、タントファンクロスのカラー、内装について
タントカスタムはクールバイオレットクリスタルシャインとクロムグレーメタリックの2色を追加。特にファンクロスにはサンドベージュメタリック、フォレストカーキメタリック、レイクブルーメタリックなどブラックマイカのルーフの2トーンカラーを含め13白の選べるのも嬉しい。
ボディカラーについて、ダイハツ工業デザイン部第2世代クリエイト室CMFグループの里館ひなのさんは、
「カスタムのボディカラーは、造形の力強さを表現するために、深みのあるカラーを中心に考えていきました。見え感を大事にパープル(クールバイオレットクリスタルシャイン)とガンメタリック(クロムグレーメタリック)の2色を追加しました。クールバイオレットクリスタルシャインは、光が当たっているところのキラキラ感を出しました。
―ファンクロスはサンドベージュやフォレストカーキメタリックなど、アウトドアテイストたっぷりで2トーンカラーを合わせると12色も用意されています。インテリアカラーは迷彩風カラーの1色ですか?
里館さん―ファンクロスのインテリアカラーは1色となります。ファンクロスは、エクステリアの形にも合わせて、インテリアカラーは単なる迷彩ではなく、グラフィック模様の新しいアクセントカラーを入れました。インテリアはオレンジのアクセント入れて楽しさを表現しています。
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