クルマ界のサザンか松任谷由実か!? 偉大なるマンネリを貫く「健康長寿」なクルマたち

続けることが人気の証 「マツダ ロードスター」

「健康長寿」なクルマたち
マツダ ロードスター。写真は現行の4代目モデルで登場は2016年。シリーズのイメージを受け継ぎながらも、先代からの大胆な変更によって洗練された仕上がりに

 数多くの魅力的なモデルが誕生しながらも、流行の影響を受けやすいせいか、長く続くシリーズがあまりないのがライトウェイトスポーツカー。実用性よりも楽しさを重視したモデルは、メーカーに余裕がないとすぐにシリーズが打ち切られてしまうことが多い。

 だが、マツダのロードスターは、発売以来30年以上が経過した現在でもシリーズが存続し、今や国産ライトウェイトスポーツの牙城を守る唯一の存在となっている。

 ロードスターの誕生は1989年。当時のマツダは販売店の5チャンネル化戦略を進めていて、ロードスターもマツダではなくユーノス店の初弾となる「ユーノス ロードスター」の名称で販売された。ちなみにロードスターとは2人乗りオープンカーを指す英語で、各メーカーからもロードスターモデルがリリースされている。

 ユーノス ロードスターは、折からのバブル景気も後押しになって発売直後から高い人気を獲得した。日本国内だけではなく海外からも評価され、発売翌年には全世界で10万台のセールスを記録している。

 その後はマツダの販売形態変更に伴ってユーノスブランドからマツダ ロードスターになるものの、シリーズの製造販売は続けられ、現在では2016年登場の4代目モデルが世界の道路を走り回っている。

 初代の販売からすでに33年が経過し、その間にクルマのトレンドも移り変わっている。特にエコが重要視される現代では、楽しむために乗るスポーツカーにとって肩身の狭い状況と言える。しかし、マツダ ロードスターはライトウェイトオープンスポーツというコンセプトを守り、多くの人に運転する喜びを与え続けている。

もはや“そこにいる”のが当たり前? 「スズキ アルト」

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初代は1979年に登場したスズキ アルト。写真のモデルは2021年に発売された9代目モデル。外観デザインは先代をベースにより丸さを強調したものとなった

 「アルト47万円」というフレーズが耳に残っているベテランドライバーも多いはず。これは1979年に発売された鈴木の軽自動車「アルト」のCMに使われたコピーで、もちろんアルトの価格を知らせるもの。当時の軽自動車が60万円台で販売されていたことを考えるとかなり安いと言える。

 さらにこの47万円が全国統一価格だったことにも注目が集まった。この頃の自動車販売価格は地域によって差があるのが普通だったため、アルトはどこで買っても同じ金額を支払うだけでいいのがユーザーへのアピールになった。

 現在でもシリーズが存続し、スズキ製軽乗用車の代名詞的存在になっているアルトだが、実は当初は商用車として販売されている。これは当時の商用車には物品税がかからなかったのが理由で、実質的に日常使用できるにもかかわらず、節税が可能でさらに販売価格も低く、クオリティも高かったアルトが成功しないわけはなかった。

 以降のアルトは順調に売り上げ実績を残し、さらには派生車種も誕生させていくが、なかでも1987年登場のアルトワークスは、3気筒DOHCインタークーラーターボエンジンを搭載するパワフルさをウリにした過激なモデルだった。

 最新のアルトは2021年登場の9代目。この世代からマイルドハイブリッド採用モデルをラインナップするなど、時流に乗った戦略にも抜かりはない。

 もはや風景のひとつと言ってもいいほど自然に街中に溶け込んでいるアルトは、誕生から40年を超えてもまだまだ元気だ。

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