世界的な半導体不足を受けて、残念な知らせが届いた。発売が待たれていたホンダ・ヴェゼルのコンプリートカー「ヴェゼル モデューロX」が発売中止となってしまったという。
Modulo Xの開発をするホンダアクセス広報部に確認したところ、残念ながら事実と判明した。その詳細をお伝えしよう。
文/ベストカーWeb編集部、写真/ベストカーWeb編集部
【画像ギャラリー】開発陣も悔しいはずのヴェゼル モデューロXの雄姿をもう一度!(10枚)画像ギャラリーコロナ禍や半導体不足の余波を受けて
そもそもモデューロXとは、専用のパフォーマンスパーツや純正アクセサリーを装着したホンダアクセスの手掛けるコンプリートカーのこと。これまでにも先代ヴェゼルやステップワゴン、フリードなどに設定されて、快適な乗り心地としなやかな走りが多くのファンを生んでいた。
現行ヴェゼルでは、2022年初頭に開かれた東京オートサロンで「ヴェゼル モデューロX コンセプト」を発表し、3月に行われた「ベストカー×Modulo体感試乗会」でも車両展示を行っていた。それだけに開発はほぼ終了し、あとは発売を待つのみだったと予想するが、なんとも悔やまれる結果となってしまった。
その原因だが、ホンダの発表によれぼ新型コロナウィルスの感染拡大や世界的な半導体不足が主たる原因。ホンダでは公式ホームページで生産遅延の状況やモデル別の工場出荷予定を公開しているが、ヴェゼルについてはガソリン、ハイブリッドともに半年以上、ボディカラーやオプション選択によっては1年以上の納車待ちが発生しているようだ。
ノーマルモデルのヴェゼルですらこれだけ顧客を待たせているのだから、新グレードともいえるモデューロXを追加投入し、さらなる遅延を招くことは避けねばならないというのが、ホンダの判断だったようだ。仮にモデューロX発売を強行したとしても、長期の納車待ちはヴェゼルの商品改良やマイナーチェンジともぶつかりかねない。ホンダ側もギリギリまで投入実現を検討していたようだが、今回ややむを得ぬ判断といえるだろう。
開発アドバイザーに土屋圭市さんを迎え、北海道のホンダ鷹栖テストコースや群馬サイクルスポーツセンターで煮詰めた足回りと実効空力エアロは、ヴェゼルに関しては幻になってしまった。土屋さん自ら発泡スチロールや粘土を削り出し、エンジニアとの議論で空力を決めていくという怒涛の開発をしてきたModulo X。開発エンジニアも含めて残念無念だろう。
思うようにクルマが作れないという異常事態が1日でも早く解消することを願いつつ、ホンダ車ファンに向けた次なるモデューロXの登場に期待しよう。
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