名古屋走りに茨城ダッシュ! 今も横行するローカルルールの危険性と罰則とは?

■伊予の早曲がりとは?

交差点を右折するときに対向車が接近しているにも関わらず、ダッシュで曲がってしまう「伊予の早曲がり」。前出の茨城ダッシュと同種の違反(出典:PhotoAC)※写真はイメージです
交差点を右折するときに対向車が接近しているにも関わらず、ダッシュで曲がってしまう「伊予の早曲がり」。前出の茨城ダッシュと同種の違反(出典:PhotoAC)※写真はイメージです

 伊予の早曲がりは、交差点を右折するときに対向車が接近しているにも関わらず、ダッシュで曲がってしまう走りです。先述した茨城ダッシュと同様のダッシュ右折です。

 この伊予の早曲がりについても、交差点優先車妨害違反や交差点右左折方法違反となります。愛媛県警では、交通事故の半数以上が交差点で発生しているという実態から、交差点違反の取り締まりを強化。

 また、「いけんよ!! “伊予の早曲がり”は危険な交通違反です!!」とローカルルールの名称を入れた啓発ポスターも作成しています。

■松本走りとは?

左折する対向車の隙間を狙って右折する「松本走り」。直進車や左折車がブレーキを踏んで急減速することもある(筆者撮影)※写真はイメージです
左折する対向車の隙間を狙って右折する「松本走り」。直進車や左折車がブレーキを踏んで急減速することもある(筆者撮影)※写真はイメージです

 松本走りは、左折する対向車の隙間を狙って右折するという走りです。強引な右折となるため、直進車や左折車がブレーキを踏んで急減速することもあります。もちろん、この松本走りも交差点優先車妨害違反や交差点右左折方法違反です。

 松本走りについては、県政へ質問や意見を伝える「県民ホットライン」にも意見が寄せられています。

 2019年8月に県民ホットラインへ寄せられた意見は「長野県に帰って来て驚いた。松本走りと言われる走り方をする車が多いこと、この様な危険な事を野放しにしていると言うことは警察も認めていると思っていいのでしょうか。違反ではないとお墨付きを与えていると理解します。」という内容でした。

 この意見に対し長野県の県民文化部くらし安全・消費生活課/交通安全対策係は、

「松本走りについては、信号機の信号等に従う義務(道路交通法第7条)、交差点の安全進行義務(同法第36条第4項)、右折車の注意義務(同法第37条)等に違反する可能性が高い危険な行為であると考えます。

 取り締りにつきましては、長野県警察本部の所管となりますことから、警察本部にお伝えしましたので、ご理解いただければと存じます。」と回答。

 また、長野県の県民ホットラインをもう少し調べてみると、この意見の約1年前の2018年4月にも同様の意見が寄せられています。

 同様の意見が複数見られることから、松本走りを改善するのに苦戦しているといえるでしょう。

■山梨ルールとは?

 山梨ルールは、対向車がいるにも関わらず強引に右折するといった走りです。もちろん、この山梨ルールは交通違反となります。

 山梨ルールについて山梨県警は、公式ツイッターやリーフレットなどで注意を促しています。公式ツイッターには、『【山梨ルール?恥ずかしい!】県外の方から「山梨ルール」と批判される、悪評高い運転をしていませんか?』とローカルルールは恥ずかしいことだとツイート。

 また、事故防止のリーフレットには、目立つように赤字で「直進車優先」と表記されている部分も見られます。

■まとめ

ローカルルールは仕事や旅行で訪れた他所の人たちを事故に巻き込みかねない危険な走行だということを忘れず、道路交通法に則った正しく安全な運転を心がけて欲しい(出典:PhotoAC)
ローカルルールは仕事や旅行で訪れた他所の人たちを事故に巻き込みかねない危険な走行だということを忘れず、道路交通法に則った正しく安全な運転を心がけて欲しい(出典:PhotoAC)

 代表的なものを含め各地のローカルルールを見てみると、さまざまな独自ルールが存在していることがわかります。しかし、これらのローカルルールは交通違反となることがほとんどです。また、周囲の交通や観光や旅行などで訪れた人たちに危険が及んでしまう行為といえます。

 ローカルルールによって誰かの命を奪ってしまうことがないよう、運転者ひとり一人が自分の運転を見直すことが大切だといえるでしょう。

【画像ギャラリー】ローカルルール!? そんなルールは認められていない!! かっこ悪い上に危険なご当地式珍走行(5枚)画像ギャラリー

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