過日、筆者はとある動画コンテンツの仕事として、20代の美女と某歴史的名車を眺めながら、彼女にその説明をしていた。
だが20代美女氏は某歴史的名車にはさほどの興味を示さず、代わりに「こ、これは何ですか!?」と、トランクルームに括り付けられていた「6連奏CDチェンジャー」ばかりに爆発的な興味を示した。
「これはCDチェンジャーというもので、運転席にあるボタンとかで操作すると、この中に入っている数枚のCDが適宜チェンジされながら、任意の曲を流すことができる装置である」と説明する筆者。
しかし20代美女氏の顔には「そ、そんなモノがこの世にあったんですか?」「ていうかCDって懐かしすぎ!」というような文字列が書かれるばかりであった。激しいジェネレーションギャップを感じた瞬間である。
筆者のような中年のおっさんにとっては、ついこの間まで現役だったようにも思える「CDチェンジャー」。
それですらこの有様なのだから、さらに他にも「今どきの10代や20代に通じているつもりで、実はまったく通じていない運転方法や装備」があるはず。そのいくつかをリストアップしてみることにしよう。
文/伊達軍曹
写真/ベストカーweb編集部、Adobe Stock
■20代のキミ、これわかりますか?→クラッチが2つ?【ダブルクラッチ】
中高年各位には今さら説明の必要はない、MT車のシフトチェンジを行う際に使われていたテクだ。
正しくは「クラッチペダルを踏んでギアをニュートラルにする。そしてクラッチをつなぎ、ニュートラルのままアクセルを踏んでエンジン回転数を上げる。そしてもう一度クラッチペダルを踏んでギアを入れ、クラッチをつなぐ」というお作法である。
要するに2回クラッチペダルを踏むから「ダブルクラッチ」というわけだ。
この正調なお作法は、MTにシンクロメッシュが使われていなかったり、あるいはそれが弱かった時代のドライバーが行ったもの。シンクロメッシュが一般的になってからのドライバーは、クラッチペダルを1回だけ踏んで回転を合わせる「ブリッピング」で済ませていた人がほとんどであろう。筆者もそうだった。
……なんてことを20代の人に説明しても、手元のスマホを眺めながら「へ~そうなんですか」と空返事をされたり、「自分、AT限定免許なんでよくわかんないっす」と言われるのが関の山だ。
また最近のMT車は勝手にブリッピングを行ってくれるので、中高年である私自身もブリッピングする機会を失くしている。
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