これからクルマのハンドルは長方形が流行!? D型があたり前になって丸型の時代は終わりなのか?

■ステア・バイ・ワイヤとステアリングの関係

トヨタ bZ4Xのワンモーショングリップ。ステア・バイ・ワイヤシステムとして開発され、電子制御によってギア比が可変する
トヨタ bZ4Xのワンモーショングリップ。ステア・バイ・ワイヤシステムとして開発され、電子制御によってギア比が可変する

 では、ステア・バイ・ワイヤと、ハンドルの形と何が関係あるのかって? そうなんです、このシステムを使ったことにより、少々大袈裟になりますが、なんでもできちゃうんです。

 例えば、トヨタが自社初のステア・バイ・ワイヤシステムとして開発した「ワンモーショングリップ」は、まるで航空機の操縦桿を思わせる四角いハンドルを組み合わせた、電子制御のステアリングシステムです。

 なんと、ステアリングの回転角度が約±150度に設定され、ハンドルを持ち替える必要がないんです。だからハンドルを切り増しといった状況にならないので、円形である必要もないんです。

 写真をみるとわかりますが、ハンドルの上部がフラットのため、メーターが見やすく、前方視界が格段によくなっています。当然、下部もフラットなので、腿があたることもなく、乗り降りがしやすい。

 少しハンドルを回しただけで進行方向が大きく変わる設定にできるほか、低速域ではステアリングの切れ角が大きく回頭性が良くなる一方、高速域ではステアリング入力が鈍感になることで直進安定性が向上します。

 電子制御でギア比も変えることができるので、駐車場ではハンドルが軽く大きく切れ、高速道路ではハンドルが重く安定する制御ができるのはもちろん、操舵感などステアリング特性が設定できるという利点もあります。

 このワンモーショングリップは、まずbz4Xの中国市場向けに設定され、そのほかの市場でも順次装着車を設定していく予定とのこと。そのほか、レクサスではBEVのRZ450eをはじめ、BEVのスポーツカー、エレクトリファイドスポーツにも投入される予定です。

 さらに、このステア・バイ・ワイヤと異形ステアリングは、自動運転にも密接に関わっており、ステアリングを格納するといった状況にも対応します。

 こうした長方形のハンドルは未来感たっぷりで、新しもの好きにはたまらないでしょう。そのほか、最近では11月5日に中国で世界初公開した、ホンダのBEV、「e:N」シリーズ第二弾のコンセプトモデル、「e:N2コンセプト」も長方形のハンドルを採用しています。

 2030年~2035年にかけて、純ガソリン車&ディーゼル車の新車販売が禁止となっていくなか、今後、ステア・バイ・ワイヤ技術を組み合わせた、異形ハンドル採用車が増えていくでしょう。

 でも筆者は、あのカーブや交差点を曲がった後のハンドルがスルスルと戻ってくる感じがなくなってしまうのは寂しく感じます。そう思うのは私だけでしょうか。

【画像ギャラリー】えっ? まだステアリング丸いの? 非円形のステアリングホイールを採用するクルマたち(11枚)画像ギャラリー

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