いまディーゼル車を買うメリット・デメリットとは? 逆風だらけ? 数年先の下取りが不安??

■下取りや数年先の人気を考えた時もディーゼル車は「買い」なのか?

(TEXT/国沢光宏)

 これからディーゼル車を買おうと考えている人にとって気になるのは、今後の人気動向だと思う。昨今の報道を見ていると、もはやディーゼルの命運が尽きたような評価も出てきた。

先日も「マツダは欧州ディーゼル車から撤退すべきだ」という記事など話題にあがった。読めば欧州事情のことを数字でしか理解できていないような内容。そもそも欧州だってクリーンディーゼルを即座になくせという論調じゃない。古い規制のディーゼルの運用を見直そうという流れ。

VWは2018年からディーゼル車の日本導入が相次いでいる

欧州でディーゼル比率が下がっているのは「ユーロ6」という厳しい排気ガス規制を開始したからで、この基準をクリアしようとすれば、高価なクルマであっても、安くないと売れないコンパクトカーであっても同じコストがかかる。

1500cc用で30万円かかるとして、3000cc用でも40万円までしない。ここまで書けば理解できることだろう。600万円のクルマの40万円と100万円のクルマの30万円じゃまったく状況違う。安い価格帯だと車両価格に大きな負荷をかける。

ということで欧州じゃコンパクトカーのディーゼル車がどんどんなくなり、当然の如くディーゼル車比率だって下がっていく。興味深いことに高価格帯のクルマを見るとディーゼル車比率は横ばい。ディーゼル車バッシングが始まっているということもなし。

新型BMW 3シリーズ(G20)は2018円3月登場。ディーゼル車は2L直4ターボ(150ps/190ps)と3L直6ターボ(265ps)がラインナップされる

そもそもユーロ6をクリアしているディーゼルであれば、排気ガスのクリーン度ガソリン車とまったく同じ。おそらく短く見て10年。長ければ15年以上にわたりディーゼルが販売されると考える。

さて日本だ。言うまでもなくクルマは人気度により数年後の下取り価格(リセールバリュー)が大きく変わってくる。人気なければ安くなり、逆に人気あると予想以上に高い値で手放せるから嬉しい。

同じ300万円のクルマだったとしよう。5年後に手放そうとした際、人気のA車は150万円。人気のないB車だと50万円なんてケースだって珍しくないほど。先の例だと、次に300万円のクルマを買おうとしたなら、A車なら150万円の支払い。B車だと250万円の支払いになるワケ。

ビッグマイチェンを果たしたデリカD:5。11月から予約を開始している。

ディーゼルだと一般的に同じ車種&グレードでガソリンエンジンより30万~40万円ほど車両価格が高い。C車の場合、2000ccガソリン仕様で280万円。ディーゼル車を選ぶと30万円高の310万円だったとしよう。ディーゼル車とガソリン車の人気が同じで5年後のリセールバリューで50%だったとしたら、それぞれ140万円と155万円になるハズ。

ここから本題。ディーゼル車の人気が落ちたら、ガソリン車を選んだほうがトクですワな。

日本のディーゼルは今後どうなる? 唯一の日本勢であるマツダの数年後を予想するの、案外難しい。日本の世論がディーゼル嫌いになっていたら、ハイブリッド車人気に負けてしまう。ただし輸入車に関していえば、ディーゼル人気が続いていると考える。絶対的な台数が少なく、ハイブリッド車のように燃費のいいパワーユニットもない。

そんなことから私も次の愛車はディーゼルを考えているほど。マツダも順当にいけばディーゼルのほうが有利じゃなかろうか。

今後ディーゼル車についての世間のイメージに変化が起こるかは不透明だが、今の人気は当面続きそう?


次ページは : 【番外レポート】欧州でのディーゼル車の売れゆきは?

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