アメリカの電気自動車メーカー・テスラは2017年に、センセーショナルなバッテリー電気式(BEV)大型トラック「セミ」を発表している。当時セミは、2019年のデリバリー開始とされたが、何度も延期され、この度3年遅れでようやく納車された。
発表当初、500マイル(約800km)の航続距離など革新的な内容に、実現性を懸念する声も多かったセミだが、5年が経った現在では状況が大きく変わった。テスラのライバルとされるニコラは既にBEV大型トラックを量産化し、長距離輸送でより有利とされる燃料電池トラックの商用化も控える。
北米や欧州では新興メーカーのほかに、ダイムラー・グループやボルボといった大手トラックメーカーも市場に参入した。セミの相次ぐ延期によりBEVトラック分野でテスラはもはやパイオニアではなく、ライバルメーカーの後を追う立場となっている。
ようやく走り始めたセミは3年に及ぶ遅れを挽回し、再びリードを取り戻すことができるのだろうか?
文/トラックマガジン「フルロード」編集部、写真/Tesla, Inc.