■いいクルマに乗っていてもタイヤには無頓着な人も多い?
クルマのサスペンションと切っても切れない関係のタイヤ。開発も行う身としては「タイヤがしっかりしていないとサスセッティングも決まらない」のが実情なので、「タイヤはしっかりいいのを選んでよ……」が本音なのですが、ユーザーはそんなことはお構いなし。
面白いのが、首都圏在住で「趣味嗜好としてのクルマ」であったとしても、タイヤにこだわる層は案外少ないということ。
例えば、都心にビルを持ちつつ会社員もしている私の友人がいますが、ポルシェやBMWにベンツを乗り替えつつ常に2~3台は持っているのです。クルマはいつも綺麗に磨いており、ピカピカ。しかし、足元を見ると「何、このタイヤ……」とガックリくるという。
実はこういうケース、少なくないのですよね。いいクルマに乗っているのにタイヤはお粗末という状況。数年前の東京で大雪が降った際、某ドイツ系大衆車のスポーツグレードがツルツル夏タイヤを履いて盛大にスピンしてひっくり返っているニュース映像が流れ、「なにやってんだよ」とクルマ好きネット民がザワついたりしておりました。
まぁ、しかたない面もあります。例えば、ヨーロッパの磨かれた丸石舗装での雨なんて下手したら雪より滑ります。超ツルツル。タイヤのウェットグリップがとても大事。
しかし、日本は舗装のグリップも高いし、透水性舗装も多いので雨でも水深はそこそこ。道路の制限速度は低いし、タイヤの性能がそこまで安全性に直結しない。本当に「普段履きならなんでもいい」のです。
■ぶっちゃけ、格安タイヤの性能はいかほどのものか?
さて実際、安いタイヤってどうなのよ?
私もそのすべてを把握している訳ではありませんが、例えば日本でもある程度名が知れた韓国系メーカーのタイヤであれば、テストしたかぎりそんなに悪くはありませんでした。国産有名どころのちょい落ちくらい。操縦安定性もハンドリングも乗り心地もノイズも、厳密に見ると粗はありますが、ふつうに乗っていて文句は出ません。
中国系とか東南アジアのもっと怪しいタイヤは確かに「けっこう落ちるなぁ……」という印象はありますが、普通に乗るかぎり明らかにおかしいとか危険とか、そこまでは行きません。
例えば、雨の日に急ブレーキをかけてしっかり止まれるかどうかで言うと結構違いますが、そんな場面にはなかなか出会わないので「普段乗りで変わらないなら別にいっか」となってしまうのです。
ある意味タチが悪いのが、「すり減ってスリップサイン出るくらいの替え時な国産のいいタイヤ」と、「新品バリ山の海外格安タイヤ」だと、乗り出しの乗心地やノイズは後者のほうがよかったりすること。ですから余計に「何だ、ぜんぜん変わんないじゃん。安いのでいいや」となりがちなのです。
■スタッドレスタイヤだとまた変わってくるのだが……
これが雪国のスタッドレス選びとなるとちょっと事情は変わります。
日常が「雪や氷で曲がらない、止まらない」ですから、タイヤの違いがモロに出ますし、適当なタイヤを選ぶと即事故につながります。なので、日本の冬環境に合わせて開発された国産のしっかりしたスタッドレスタイヤが積極的に選ばれることになります。
それで実際、海外製格安タイヤってそんな安いの?
安いです。めちゃくちゃ安いです。例えばトヨタのヤリスの中間グレードのサイズ、185/60R15サイズを例に見てみましょう。
夏タイヤで行くと、某世界最大手の日本メーカーのベーシックタイヤは通販で4本で4万円ほど。しかし、海外格安タイヤだと4本で2万円ほど。ざっくり半額! 物価は上がる一方、しかしお給料は相変わらずの昨今になんてお財布に嬉しいのでしょうか。
スタッドレスタイヤでいくと、同じく某日本最大手のフラッグシップ、なんとか3の店頭価格は4本で何と13万円ほど! ネットだと最安で8万円。これが韓国系有名社品だと3万円ちょいとか。これが格安タイヤだと2万円ほどまで下がるわけです。店頭価格は別としても同条件のネット販売であってもお値段なんと四分の一、6万円も違うのです。
いやぁ、これを見ちゃうとね、格安タイヤを買っちゃいますよね。
コメント
コメントの使い方私のアウトランダーPHEVだとタイヤ一本国産では2万以上はあたりまえ、3万することもあります。組み換え工賃までいれると15万くらいになる。距離はしるから余計すぐに交換になる。韓流タイヤ一本1万だが評判も良く、最初に装着タイヤと何も体感的にはかわらない。長距離といっても慣れの問題じゃないかと思う。6万と15万、あなたはどちらをえらびますか。普通の運転で限界走行なんて家族乗せてそんなのしないし。
純正サイズが大きく偏平になって価格が高くなった。普通のクルマに18inや20in、ホントに高いです。