■プリウス「でも」いいユーザーは既にいない? 新型はプリウス「が」いいユーザーへ向けた自信作
新型プリウスは車高を大きく下げ、ホイールベースを長くし、タイヤには19インチの大径ホイールを採用した。国民車ともいわれた3代目プリウスのように、「誰もが受け入れやすいクルマ」とは、少し方向性を変えている。車高を下げれば居住性は低くなり、乗り降りにも苦労するだろう。デザイン性の高い19インチホイールも、ゴツゴツした乗り味になりやすく、万人受けはしにくい。
新型プリウスは、先代までが持っていた「万人が納得する」という路線から、大きく舵を切ったように見える。
爆発的に売れた3代目では、プリウスに乗っておけば間違いない、プリウスでもいいよ、というユーザーを多く取り込んだ。3代目の登場から既に10年以上が経過し、プリウス「でもいい」というユーザーは、既に他の魅力的なクルマに乗り換えが済んでいる頃。今もなお、プリウスに乗り続けているのは「プリウスがいい」というオーナーが多い。
このようなプリウスオーナーにとって、新しいプリウスのデザインは独創的で、心のど真ん中に刺さっているはず。何者にも似ない、一目でプリウスであることが分かるデザインは、プリウスというブランドを愛し、プリウスを積極的に選択するオーナーをとりこにしている。
■プリウスというクルマだからこそ受け入れられる魔法
先代の50系プリウスでは、「歌舞伎顔」などとデザインが冷やかされたが、いっぽうで販売実績は安定したものだった。しかし、4代目からプリウスは国民車ではなくなった。その地位を、アクアやアルファードなどに譲り、プリウスは独自の道を歩み続けている。
ライト周辺のデザインにはアクを残し、先進性が各所に光るが、滑らかなクーペルックなスタイリングには、どこか往年のスポーツカーを思わせる懐かしさもあるのだ。
メインターゲットは、これまでの30代~60代辺りまでとはガラリと変わると思う。未来感とエモさを共存させた新しいデザインは、これまでよりも若い年齢層からの支持を集めそうだ。
新型プリウスは、「街中でよく見るクルマ」ではなく、「選ばれる」クルマになったと思う。1990年代のシビックタイプRやランエボのような、乗用車ルックでも一種の憧れを抱くクルマたち。このときに抱いた「良い! 乗りたい! 欲しい!」という衝動に駆られるクルマと同じような感覚が、新型プリウスにはある。
クルマを相棒と呼べる時代が、プリウスとともに再びやってきた。チラ見で強い印象が残ってしまったアナタは、もうプリウスに首ったけだ。
【画像ギャラリー】シンプルにかっこいい!! 一新された新型プリウスのデザインを写真で詳しく!(19枚)画像ギャラリー
コメント
コメントの使い方ヘッドライト周りが名古屋城の金シャチみたいでいいわね。