エンジン回りの不調は異音で判断できる
■エンジンからキュルキュルと音がする!
エンジンの回転を上げた際に「キュルキュル」というような異音が発生した場合、エアコンやオルタネーターを作動させるVベルトに問題があることが多い。
Vベルトの材質はゴムなので、やはり使用に伴って劣化は進行する。異音が鳴るようになったVベルトは間違いなく劣化しているので、トラブルが大きくなる前にここは新品に交換しておきたい。
たとえ異音がしなくても、Vベルトは定期的な交換が必要なパーツだ。その交換目安はだいたい5万kmごとと言われている。新品なのに異音がする場合、ベルトが馴染んでくれば音が止むはず。また、市販のベルト鳴き止めスプレーの使用なども有効と言える。
■アイドリング時の異音は燃焼不調か?
エンジンを始動した後に聞こえる音は主にエンジン内部での爆発(燃焼)によるもの。この音がそれまでと違って聞こえた時、特に「バンバン」といった干渉を起こしているような音がしたら、それは各気筒の爆発が揃っていないサインかもしれない。
多気筒エンジンの場合、どこか1気筒のプラグや点火コイルに異常があると、不ぞろいな音になりやすい。この状態のまま走ってもエンジンに負担をかけるだけなので、できるだけ早めにチェックを行いたい。プラグそのものではなく、配線に不具合がある可能性も考慮しよう。
■意図しない爆音はマフラー割れ?
エンジンの回転音ではなく、排気音がいつもより大きいケースはマフラーのトラブルが考えられる。錆びや腐食、あるいは接触によってマフラーが割れると、消音効果も減少して排気音は一気に大きくなる。
もちろん、このような状態で走行を続けるのはNGだ。速やかに排気系をチェックして問題のポイントを見つけ、マフラー交換などの対策を行うこと。
臭いを無視すると大トラブルに発展することも…
■酸っぱい臭いはどこから来る?
異音に続き、異臭についても考えてみたい。まずは車内にお酢のような臭いが漂ってきた場合だ。
これはバッテリーが過充電状態にある可能性が高い。オルタネーターの故障によってバッテリーが過充電されると、内部の電解液が気化してそれが車内にも侵入してしまったのだ。
このような臭いがした場合はすぐに窓を開けて換気を行い、エンジンをストップさせてそれ以上バッテリーが過充電されないようにする。その後に工場などでチェックを受けよう。
■ガソリン臭には要注意!
車内がガソリン(燃料)臭くなったら危険な兆候だ。これは燃料がどこかで漏れている可能性が高く、そのまま放置しておくと車内火災につながりかねない。
給油時のキャップを閉め忘れたり、閉め方が甘かったりすると燃料の臭いが漂ってくることがあり、燃料タンクが破損しているというケースもある。タンク破損の場合は修理が必要だ。
エンジンルームから燃料の臭いがする場合は、燃料ホースの破損、ガスケットの劣化などが原因になっているかもしれない。とにかく、燃料の臭いがしたらただちに確認したい。
■ゴムが焼けた臭いがする?
ごくまれにゴムが焼けるような臭いがすることがあるが、これはタイヤやファンベルトなどのゴム製パーツが劣化や摩耗しているサインだと考えられる。先にあげたキュルキュル音とセットだったらベルトが原因だと考えて間違いない。
劣化したゴム製パーツは交換以外に対処法がないので、早めにディーラーや整備工場に相談しよう。
■機械なのに生臭い臭い?
最後に紹介する事例は、特に該当する荷物を積んでいないのに車内が生臭いというもの。エアコンを作動させた際にこうした臭いがするなら、それはフィルターの汚れが原因であることが多い。
湿気の多い時期はエアコンの使用頻度も高くなるが、フィルターにホコリが溜まるとこれが要因でカビが発生し、このカビが生臭さの元になってしまう。この場合はフィルターを洗浄するか、新品に交換すれば解決できる。
フィルターだけでなくエアコンに使われているエバポレーター(熱交換器)にカビが付着して臭いを発生しているというケースもある。エバポレーターの洗浄は簡単な作業ではないので、プロに依頼するのが得策だ。
クルマからの異音や異臭は、そのクルマが異常発生を知らせてくれるSOSサインでもある。ちょっとでも変だと感じたら、速やかに問題究明にあたりたい。それが愛車を守るだけでなく、他の人やクルマを危険にさらさないことにもつながるのだ。
大切な愛車の状態に気を配り、わずかな異変にもすぐに気がつけることがオーナーとしての務めとも言える。
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コメント
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