1961年登場のW900が今も健在!? オーナーオペレーターの高い支持を得る「ケンワース」に迫る!!【世界のトラック】

1961年登場のW900が今も健在!? オーナーオペレーターの高い支持を得る「ケンワース」に迫る!!【世界のトラック】

 世界各国のトラックをメーカーごとに紹介する「世界のトラック」。今回はピータービルトに次ぐ米国大型トラック市場ナンバー3の「ケンワース」をピックアップ。エアロダイナミクスを追求したモデルを主力とする一方、1961年発表のモデルを今も販売し続けている同社の歴史や最新ラインナップを多賀まりお氏が徹底解説する!!

文/多賀まりお
写真/ケンワース
※2022年6月15日発売「フルロード」第37号より

ユニークな会社名は創業者に由来

1961年の発売以来、販売を続けているW900
1961年の発売以来、販売を続けているW900

 1917年にガーリンガー・モーターカー社を譲り受けたエドガー・ワーシントンがパートナーのフレデリック・ケントとともにガーシックス・モーターを設立。その後引退したフレデリックの息子ハリーとともにワーシントンは事業を拡張し1923年、2人の名前から取った「ケンワース」の車名が誕生した。

 米国トラックメーカー初のディーゼルエンジンの標準仕様化やスリーパーの設定など新技術を積極的に取り入れ、バス分野でも人気を博した。しかし2代目社長のフィル・ジョンソンが亡くなったあとケンワースは44年にワシントン州ベルビューに本拠を置く「パシフィック・カー&ファンダリー」に売却され、その傘下に入った。

 同社は続いて「ピータービルト」と「ダート」を買収し、72年に「パッカー(PACCAR)」と改称。さらに81年にはイギリスの「フォーデン」、96年にオランダの「DAF」、98年にはイギリスの「レイランド・トラック」と欧米のトラックメーカーを次々と傘下に収め、大型車の生産台数世界第3位(米国2位)のトラックグループに成長した。

 1961年に発売され現在も販売が続けられているW900は、クラシックなクラス8トラックのアイコンとしてオーナーオペレーター(個人事業主として自分のトラックで仕事をするドライバー)から高い支持を得ている。2018年には同車のオマージュとも言える「W990」が新たなフラッグシップとして登場した。

 いっぽう、最も高い人気を誇るのは省燃費性能と快適性に優れた新世代モデルの「T680」で、販売台数の過半数を占めている。

●T680 NEXT GEN
 ケンワース初のスラントノーズ・エアロモデルT600の流れを汲む最新の長距離輸送用トラック/トラクタ。T660の後継として2013年にデビューし21年にマイナーチェンジを受けた。風洞実験を重ねて低ドラッグ化を追求した車体は、バンパー〜サイドフェアリングの下面に走行風の流入を抑えるスカートを標準装備。エアロパーツも潤沢で優れた省燃費性能を発揮する。

●T880
 全販売台数の約3割を占める特装系の主軸モデル。ダンプ、ミキサー、クレーンといった単車のほか、バルクやローリー、重量物運搬用のセミトラクタにも使われる。

●W990
 スクエアなロングフードに大型のラジエター、フラットなバンパー、直立した排気管と随所のクロームパーツなど伝統的なスタイルに先進安全快適装備を組み合わせたネオクラシックモデル。アルミ製のキャビンはT680/T880と共用で、内装や室内装備も基本的に共通だ。

●W900
 1961年の登場以来、現在も販売されているアメリカントラックのレジェンド。セットフォワードフロントアクスルタイプで、キャブはBBC130インチロングノーズタイプを設定する。

●T380/T480
 ダンプ、ミキサー、クレーンなどの特装系のほか、近距離用セミトラクタに使われる汎用モデル。T440はクラス7(車両総重量26001〜33000ポンド=約11.8〜15トン)、T480はクラス8(車両総重量33001〜80000ポンド=約15〜36トン)をカバーする。

●T180/T280
 ケンワースで最もコンパクトなコンベンショナルモデル。T180はクラス5(車両総重量16001〜19500ポンド=約7.2〜8.8トン)、T280はクラス6(車両総重量19501〜26000ポンド=約8.8〜11.8トン)をカバーする。

●K270/K370
 キャブオーバー型のキャビンは同じパッカーグループに属するオランダのDAFからOEM供給を受ける。正確にはルノートラックス製で、DAF LFのほかボルボFEとも骨格は共通だ。

【画像ギャラリー】最新の流線型モデルも登場!! ケンワースの最新トラックラインナップをチェック!!(6枚)画像ギャラリー

新車不足で人気沸騰! 欲しい車を中古車でさがす ≫

最新号

マツダ6、実は水面下で開発が続いていた!? 注目新車情報、グッズが当たるアンケートも展開「ベストカー4月26日号」

マツダ6、実は水面下で開発が続いていた!? 注目新車情報、グッズが当たるアンケートも展開「ベストカー4月26日号」

終売が報じられたマツダ6はこのまま終わるのか? 否!! 次期型は和製BMW3シリーズといえるような魅力度を増して帰ってくる!? 注目情報マシマシなベストカー4月26日号、発売中!