■CX-5でもいいけど……ほどよいサイズが鉄則
では、SUVやミニバンなど実際のマーケットで主流となっているカテゴリーでは、どのようなモデルであれば教習車の基準を満たせるのだろうか。全幅とホイールベース、トレッドについては登録車であればほとんどのモデルがクリアしているので、問題となるのは4.4m以上という全長だろう。
SUVカテゴリーのトヨタ車でいうと、ヤリスクロスやC-HRは全長が足りない。カローラクロスが全長4490mmでクリアしているが、全幅1825mmと広すぎるのは初めて運転するクルマとしては難易度が高すぎるといえそうだ。
マツダのSUVを見ても、CX-30やMX-30はいずれも全長4395mmでギリギリ足らないため、教習車として使えそうなのはCX-5となってしまう。こちらも全幅は1845mmもあるので、やはりワイドすぎるといえる。
かつて5ナンバーサイズ・セダン「グレイス」をベースにした教習車を用意していたホンダにしても、人気SUVモデルのヴェゼルは全長4330mmと少々足りない。ひとクラス上のZR-Vになれば全長4570mmと条件を満たすが、やはり全幅1840mmというのは広すぎるのだ。
■新型ステップワゴンでもOKだった!!
ミニバンカテゴリーでいえば、ステップワゴンはボディの見切りがよく、全幅も1750mmとさほど広くない。教習車として使えそうな印象もあるが、全長4800mmと長いのは教習車として考えると大きなウィークポイントだ。
ホイールベースが基準よりかなり長くなっているのも縦列駐車などの教習プログラムにおける難易度が上がり過ぎるといえそうだ。ちなみにホンダ ステップワゴンAIRは全長4800mm×全幅1750mmでホイールベース2890mm。前トレッドは1485mm。同様のことは、トヨタや日産のMクラスミニバンでもいえる。
また、ホンダ フリードやトヨタ シエンタといったコンパクトなミニバンでは全長の条件を満たせないため、教習車にすることは難しい。
現在、教習車を用意していないメーカーでいえば、スバル クロストレックはコンパクトなボディで教習車に向いていそうなサイズ感だが、それでも全幅は1800mmとなっているのは気になるところ。
■サイズに取り回しを考えるとJPNタクシーが最適か!?
結局、道路交通法で全幅の基準が1690mm以上と定められていることから、5ナンバーサイズのモデルが教習車としてふさわしいということになり、5ナンバーで全長4.4m以上という条件を満たすためにはトランクを持つセダン型になってしまう、というのが実情だろう。
もしセダン型でない教習車が生まれるとすれば、その有力候補といえるのがトヨタのタクシー専用モデル「JPN TAXI」だ。そもそもフリート向けのモデルという点、ランニングコストに有利なLPG仕様というのは教習所にも向いている。
さらにいえば全長がギリギリで4.4m以上、全幅も1700mm以下の5ナンバーサイズとなっているのも教習車にふさわしいといえるポイント。ちなみに全長4400mm×全幅1695mmでホイールベース2750mm、前トレッド1485mmと基準に適合するのだ。
かつて、実質的にトヨタのタクシー向けモデルとなっていた「コンフォート」が全国の自動車学校で教習車として愛用されていた時代がある。その流れを汲んだJPN TAXIであるからして、将来的には教習車として活用されることがあり得るかもしれない。
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コメント
コメントの使い方セダンばかり、高速教習で疲れないわけだ。いい車だもの。