■税金まみれとも言えるガソリンだが……
ガソリンには、ガソリン税以外にも石油そのものに課されている税金も含めると、さまざまな税金が課されている。また、ガソリン以外の軽油、灯油などに課せられる税金を含めると、石油には複数の税金が課されている。
こうした石油に課されている税金を総称して石油諸税といい、ガソリン税も含め、「ガソリン税(揮発油税+地方揮発油税)」「石油製品関税」「石油石炭税」「石油ガス税」「軽油引取税」「航空燃料税」「地球温暖化対策のための税(環境税)」となんと7種類もある。このうち、環境税は石油石炭税に税率を上乗せする形で課税されている。
揮発油税と地方揮発油税の総称であるガソリン税は、税金の徴収する仕組みや用途などが複雑に分かれているが、道路特定財源として設定された暫定税率が廃止された後も税の使用目的を変えて維持されている。
ガソリン税は政府にとってもはや貴重な財源となっているため、そう簡単には手放すことができなくなっている。令和3年の揮発油税が総額約2兆700億円、地方揮発油税は約2214億円にものぼっていることからもそのことが推察できる。
また、ガソリンの消費税については、ガソリン税など複数の税金とガソリン本体価格の合計額に一括して消費税を課すしくみとなり、ガソリン税と消費税が重なることで、「二重課税」と指摘されている点も問題。このあたりが税制改革を求められる理由となっている。それに加え、ガソリンの値段には地球温暖化対策のための税金として環境税も上乗せされている。
■肝心の「トリガー条項」はいつ発動されるのか?
ところで、全国平均のレギュラーガソリン価格が1Lあたり170円を超えた時に支払われる「燃料油価格激変緩和補助金」(1Lあたり5円を上限)は2022年1月から始まったが(2022年4月25日から上限35円に)、2023年1月以降は33円、2月は31円、3月は29円、4月は27円、5月は25円と引き下げられていく。
補助金が投入されているにもかかわらず、ガソリン価格が下がらなかった場合にその適用が検討されているのが「トリガー条項」。トリガーとは文字どおり、「引き金」を意味しており、ガソリン価格が高騰した場合に25.1円分の特例税率を免除するものだ。
2010年3月末に租税特別措置法が改正され、その際に暫定税率の適用を停止するトリガー条項が設けられたのだが、翌2011年4月に政府が東日本大震災の復興財源を確保することが困難になるとして震災特例法によって凍結されたままとなっている。
ガソリン価格については、まだまだ不透明な状況が続きそうな情勢だ。とはいうものの、ガソリン価格の高止まりがいつ解消されるのか、トリガー条項の発動は毎日クルマを使うドライバーにとっては切実な問題となっているのは間違いない。
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