アルファード/ヴェルファイアも目じゃない!? トヨタに勝ってるクルマたち 10選

■設計思想ありきで開発されたCX-8。RX450hLはその思想が薄い

(TEXT/松田秀士)

 ちょうど今、CX-8の広報車をお借りしている。このクルマでスキーに行くことが主な目的。CX-8にした理由はACCとLKAが装備され、なおかつその制御がしっかりとしていること。遠出の高速走行で疲労を軽減することができる。この点ではレクサスRX450hLも遜色はない。

 ただCX-8は走行中の室内静粛性が高く、車室内での会話が2列目、3列目とも大声を出すことなくできる。これは人の声の周波数を分析して、これを遮る音域帯のノイズを集中して下げているからだ。

 RX450hLは2列シートのRX450hを3列シートにエクステンションした。が、CX-8はCX-5をレクサスと同じ手法でロング化したのではなく、1クラス上でもともと3列シートのCX-9(米国などで販売)と同じプラットフォームを使用。だから3列目も快適。ここが大きく違う。さらにサスペンションアーム類はCX-5のものを流用せず、CX-9のモノの長さを短くして採用しているのだ。

 それゆえ、路面の凸凹が必然的に粗くなってしまう雪道などでの乗り心地や振動感が圧倒的に優れている。

 3.5L V6エンジン+ハイブリッドのRX450hLは加速性能など、走りの部分でも素晴らしくデザインも目を引くが、まず3列シートSUVに何が必要なのか? という設計思想ありきで開発されたCX-8にはCX-9で培った一日の長がある。

マツダ CX-8。CX-8とレクサスRX450hL。同じ3列シートのあるSUVだが、開発段階からCX-8がリードしていたといっていい

■アウトランダーPHEVを凌駕できるか?ハリアーHVでは役不足!?

(TEXT/国沢光宏)

 私がアウトランダーPHEVを買った時、ハリアーハイブリッド(HV)はショッピングリストに載っていなかった。もっと正確に書くと、意識の外であり考えもしなかったです。同じようなボディサイズ&価格帯のSUVなのになぜ対象にならなかったのか?

 こらもう簡単。ハリアーHVのようなクルマは珍しくないのに対し、アウトランダーPHEVって唯一の存在だったからです。考えていただきたい。ハリアーHVの特徴って「燃費のよさ」であります。だとしたらディーゼルもいい。

 CX-5のディーゼル、ランニングコストで考えたらハリアーHVに勝るほど。一方、アウトランダーPHEVには「電気だけで45kmくらい走る」という素晴らしい得意技がある。近所での用なら電気だけで走れてしまうし、東京都内の移動だと帰り道の途中でエンジンかかる程度。

 電気で走らせるアウトランダーPHEVは、45kmまでなら電気代100円。それ以上に嬉しいのは徹底的に静かで滑らかなこと。渋滞だってエンジンかかったり止まったりしないです。満足度100点でしたね。

三菱 アウトアンダーPHEV。「アウトランダーPHEVはオンリーワンの魅力がある」。オーナーだけに国沢氏の言葉には説得力がある

■スーパースポーツ分野ならGT-RとNSX。レクサスLCではやや物足りない

(TEXT/松田秀士)

 レクサスLCは国産スーパースポーツとしてかなり刺激的。注目はその斬新なデザインだが、ボクが注目するのはV8、5Lの刺激的なエンジン。自然吸気エンジンの素晴らしいレスポンスとエンジン音。カムなどの動弁系の音すらノイズに感じない。10速ATも素晴らしいシフト感だ。

 が、トヨタ系のスーパースポーツにはないものがある。ハイパワーを制御する4WDだ。その意味でNSXとGT-Rは異なる楽しみと味わいがある。特にGT-Rはデビューから12年経過するなかで進化を重ねて熟成されている。

 GT-Rの4WWDコントロールはハイパワーを効率よく路面に伝えるだけでなく、ハンドリングとの両立を達成している。超高速安定性が素晴らしく、本誌のテストにおいてJARIの高速周回路で321km/h(メーター読み)を記録したことが記憶に新しい。

 その時のドライバーを務めさせていただいたが、300km/hを超えても抜群の安定感だった。アウトバーンでも300km/h走行したが、空力も含めた完成度の高い4WD。この技術は今のところトヨタ車にはない。

日産 GT-R。GT-Rは日本のスーパースポーツの代表格。ハイパワーを制御する4WDはトヨタでは見られない

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