ラージクラスミニバン界において、圧倒的な人気を誇る、トヨタ「アルファード」。2022年は6万台以上を売り上げ、国内登録車ランキングで10位、ミニバンカテゴリでは、アルファードよりも低価格帯である、ノア/ヴォクやセレナなどを抑えて第1位を獲得するなど、まさに無敵状態。次期アルファード/ヴェルファイアは2023年5~6月登場とされており、モデル末期となったいまでも、驚異の売れ行きを維持している。
その陰で埋もれてしまったのが兄弟車のヴェルファイアだ。2022年の国内登録台数はわずか2,247台。もちろんコロナ禍による生産調整の影響があるものの、アルファードよりもヴェルファイアのほうが売れていた頃の勢いはもはや感じられず、フルモデルチェンジのタイミングで消滅するのでは、との声は多い。新型でヴェルファイアが生き残る可能性はどれほどあるのだろうか。
文:吉川賢一
写真:TOYOTA
現行ヴェルファイアはデザインが若すぎる
アルファード/ヴェルファイアの現行モデルが登場したのは、2015年のこと。2020年5月にトヨタ系販売店が統合されるまで、法人顧客の多いトヨペット店の専売ブランドだったアルファードは、フロントマスクは比較的落ち着いた雰囲気を持たせることとなった一方、ヴェルファイアは若者や女性をターゲットとしたネッツ店の顧客に合わせ、艶やかで派手なフロントフェイスが与えられた。
その狙い通り、ヴェルファイアは若者の支持を得て販売台数を伸ばし、2017年ごろまでは、常に1万台~2万台ほど、アルファードよりも多く売れていた。だが、2017年12月のマイナーチェンジ以降、ヴェルファイアは大きく失速してしまった。
マイチェンで、チョイ悪だけど「清楚な厳つさ」のフェイスとなったアルファードに対し、ギラギラ感がさらに増したフェイスとなったヴェルファイアは、いささか「やりすぎ」なレベルに行ってしまったのだろう。以前は、「フロントはメッキ面積が大きいほどカッコ良い」といわれてきたものだが、このケースではそうはいかなかった。
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