ヴェルファイアの消滅は「100%ない」
クルマのトレンドデザインを予測するのは、非常に難しい。2022年1月に登場したノア/ヴォクシーでも、開発したトヨタとしては、ノアに人気が移行するものとみていたようだが、ふたを開けてみれば、プレデターのようなきつい顔のヴォクシーのほうが売れている。クルマは開発期間が長く、エクステリアのデザインは少なくても正式発表のおよそ2年前(マイチェンだと1年程)には決めなければならない。2年後のデザイントレンドを予測するのは、いくらその道のプロとはいえ、なかなか難しい作業だろう。
ヴェルファイア失速の原因は、派手になりすぎたことだ。いまはアルファードほうが人気だが、フルモデルチェンジで新しいエクステリアデザインを手に入れれば、この状況が簡単に逆転することも十分にありえる。おそらく、大人な雰囲気のアルファードと、すこしやんちゃなヴェルファイア、という路線は変えることなく、次期型でも、ヴェルファイアは必ず用意されるだろう。トヨタはチャレンジを続けてくるに違いない。
海外人気も、ヴェルファイア存続の後押しになるはず
筆者が100%消滅はないと考える理由は、ほかにもある。それは、中国市場でのラージミニバン需要の高さだ。いま中国では、この手のラージミニバンが空前の人気車種となっており、トヨタ/レクサスからは、レクサスLMやアルファードのほか、ヴェルファイアにクラウンのエンブレムをつけた「クラウンヴェルファイア」もラインアップされている。同じような3台ではあるが、メンツ(面子)を大切にし、人とは被らない選択を優先する中国人にとっては、バリエーションの多さは重要のようで、現地では人気となっているのだ。
アルファード/ヴェルファイアは、中国のほか、東南アジアでも人気となっており、仮に、日本でウケなくても、海外で需要があれば、つくる意味は十分にある。もちろん、統合したほうが合理的ではあろうが、「顔がすべて」といわれるミニバンであるからこそ、そのバリエーションはユーザーが選択できるよう、いくつか用意しておきたいところ。どのようなデザインで登場してくるのかはかなり楽しみなところだが、アルファード/ヴェルファイアの2モデル体制は、次期型でも続くだろう。
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