■日本勢のEVが中韓勢のEVに勝てない理由はバッテリーの調達コスト?
なぜ日本勢は勝てないのか? 決定的な理由になっているのが電池の調達コストだと言われる。500万円の電気自動車を考えていただきたい。電池の調達コストが日本勢は200万円。ヒョンデが仮に150万円だとすれば、後者は50万円分を車体に回せる。50万円あればインパネはソフトパッドにできるし、高いミシュランの吸音材入りタイヤだって採用できる。もうお話にならない。
日本の電池、高いだけでなく性能的にも厳しい。ご存じのとおり、急速充電を繰り返すと電池の温度が上がり、充電性能に制限をかけ始める。bZ4Xなんか1日2回まで。3回目からスンゴク遅くなってしまう。
ARIYAは少しマシながら、やはり絶対的な急速充電性能は何回続けてもドンドン入るアイオニック5と比べたら勝てない。日本製電池の性能、進化が極めて遅いのだった。
■日本で優れた電池を作ることはできないのか?
だったら日本で優れた電池を作ればいいじゃないか、と思うだろう。しかし、電池は海をまたいで輸出入されることに強い制限をかけられている。なぜか?
電気自動車の電池は車両価格に占める金額が大きく、ほかの国から買ったら、自国の産業を減らしてしまう。したがって中国で販売するトヨタ車や日産車は、中国製の電池を搭載しなければならない。アメリカでも同じ。日本製電池を使えない。
一方、日本で販売される電気自動車は日本製の電池しか使えないのかとなれば、アイオニック5は韓国製。BYDやテスラのモデル3は中国製の電池を積む。日本は農作物などを守るため、自動車輸入を無条件で容認しているからだ。
したがって優れた電池を開発する能力あっても大量生産できないため、コスト的に高くなる。半導体や液晶で負けてしまった悪夢をまた見ることになります。
日本勢が高くて性能的にも厳しい日本製電池を使っているかぎり、安価で進化した最新の電池を使っているクルマと勝負したって価格でも性能でも勝てるワケないです。第2次世界大戦時、物量で負けたのと同じ構図。
遠からず日本の自動車メーカーも、生き延びるために日本で販売する日本車に海外製電池を使うようになるだろう。その場合、半導体のように供給不足になる可能性は小さくない。
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