メリットも多いが、スイッチによっては使いづらくなることも
冒頭で「タッチパネルはスマホの延長」としたが、スマホは手で持つので揺れても操作できるが、クルマのタッチパネルには支えがなく、揺れる走行中は、正確にタッチすることが難しい場面もある。そもそもドライバーは、走行中、前を見ていなければならず、タッチパネルを正確に操作するにはチラチラ画面に視線を落とす必要がある。もちろん、ナビの設定などは、走行中にはできないようにしているメーカーも多いが、クルマによっては、走行中によく使うエアコンの設定なども、タッチパネルのなかに組み込まれてしまっているものもあり、これが非常に操作しづらい。
タッチパネル式のほうが、デザインはスマートになり、多大な機能を集約できるし(物理スイッチを減らすことができてコストも下がる)、機能のアップデートも簡単にできるしと、メリットは多いのだが、クルマにとって大切なのは、安全な運転が可能であることだ。
なかには、液晶モニターでのタッチ式を基本として、ボイスコントロールやジェスチャーで操作するモデルもあり、この方式で慣れれば問題ないのだろうが、筆者個人的には、基本無口でしゃべる(=声を出す)のがめんどくさいと思う性格なので、この方向で進んでいってしまうことに若干不安がある。ジェスチャーも周囲にクルマがいる状況だと、少し恥ずかしい。これらは筆者だけが感じることなのかもしれないが、やはり、走行中に使う可能性のあるスイッチは、物理スイッチで残してほしいと思う。
(編集部注/本企画担当編集者は「物理スイッチのほうが便利でなるべく液晶化しないで派」。かつてあったトヨタFJクルーザーは「スイッチ類はなるべく大きくしっかりと配置され、手袋をしていても操作できることで、タフさをアピールする」という手法で、感動しました。スイッチ類の仕立ては「機能性」だけでなくそのクルマのイメージや個性にも影響されるものであるから、「先進性」をアピールしたい車種が液晶化を進めたい気持ちも分かるが、そのいっぽうで「運転しながら使う際の簡便性」も考慮しつつ、さまざまなバランスをとってほしいなと考えます)
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