「アルファードのような存在に」…ってマジか!! ハイエースがいまも商用車の王者に君臨するワケ

■リセール価格も圧倒!! 法人には魅力大

現行モデルは2003年の登場で中古車も相当数存在するが、走行距離が10万キロを超えても100万円前後の価格で取引中。それほどリセールバリューがイイのだ
現行モデルは2003年の登場で中古車も相当数存在するが、走行距離が10万キロを超えても100万円前後の価格で取引中。それほどリセールバリューがイイのだ

 この「ハイエースを買えば間違いない」という認識は、新車だけでなく、中古車にも当てはまる。ハイエースは中古車のニーズも高いから、数年間使った後でも高値で売却できるのだ。買取店からは「ハイエースなら、10年間使って走行距離が30万kmに達した車両でも、相応の金額で買い取る。ハイエースが無価値になることは考えられない」という。

 ハイエースが高値で売却される背景には、旺盛な中古車輸出もある。買取店では「ハイエースは海外のバイヤーにも人気が高い。ウガンダとかザンビアなどでは、故障しにくい優れた耐久性が注目され、ハイエースが積極的に輸出されている。これが国内の売却額を押し上げている」と述べた。

 仕事のツールとされる商用車が、使用後に高値で売却できるのは魅力だ。資産価値が高く保たれるから、例えば5台のハイエースを使っていた法人なら、2台を売却して運転資金に充てることも可能になる。

■ハイエースをミニバン感覚で選択!? アウトドアニーズもしっかり確保

 トヨペット店の功績も大きい。2020年5月以降は、全国のすべてのトヨタ系販売店がトヨタの全車を扱っているが、それ以前のハイエースは、トヨペット店の専売だった。トヨペット店では、ハイエース以外にもトラックのトヨエース、かつてはコロナバンやマークIIバンなども専売車種として用意しており、法人が仕事で使う車両を一手に引き受けていた。

 このように商品力と販売力の両立でハイエースが普及すると、趣味の空間として使う一般のユーザーも注目するようになった。

 トヨタの販売店では「ハイエースはビジネスだけでなく、バイクや自転車の運搬、キャンプ、釣など、趣味で使うお客様も多い。ハイエースの販売総数の30%前後は、仕事との兼用も含めて、パーソナルな用途に使われている」と説明した。

 そのためにハイエースでは、内外装の質感や後席の座り心地を向上させ、装備を充実させたスーパーGLの人気が高い。

 趣味の空間として使うユーザーが増えると、外観をドレスアップするニーズも高まる。ハイエースは耐久性が高い代わりに、価格も250~400万円に達するため、ミニバン感覚で購入してパーツを加えるユーザーも多い。そのような人たちにとって、ハイエースはアルファードのような高いお金を費やす存在だ。

■カスタムパーツも超豊富!! ハイエース一強時代はまだまだ続く予感

どちらもキャンピングカーベースとして多く使用されているが、やはりこの市場でもハイエース人気が圧倒!!
どちらもキャンピングカーベースとして多く使用されているが、やはりこの市場でもハイエース人気が圧倒!!

 そこでハイエースでは、いわゆるアフターパーツも充実させている。販売台数と併せて、各種のパーツを装着するユーザーも増えるから、パーツメーカーも勝算が見込めて対応するわけだ。

 そうなるとドレスアップを目的に、ハイエースを選ぶユーザーも増える。私の知人は、個性的でカッコイイと思って、ドレスアップされたハイエースの中古車を購入した。

 それをキッカケに「家族と愛犬を乗せて、キャンプに出かけるようになった」という。まずはハイエースを買って、その後に楽しみ方を見つけたわけだ。

 以上のようにハイエースは、50年以上も前に初代モデルを投入して、物流の現場で高い信頼を得た。そこからさまざまな相乗効果が生まれ、海外への中古車輸出まで含めて、揺らぐことのない確固たる人気を築いた。

 この成り立ちと今の売れ行きは、まさにトヨタ車の真髄だ。キャラバンが販売面でハイエースに追い付くには、長い年月を必要とするだろう。

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