新車を購入するならば、3月に購入するのがベストと言われている。それは、3月は年度末に当たるため、販売店は販売実績を伸ばすために、普段以上に値引きやオプションのサービス。そして低金利のローンなどを行うからだ。
その甲斐もあり、一般社団法人日本自動車販売協会連合会が発表している登録車+軽自動車の販売台数を調べてみると、2018年は3月が66万7269台で年間トップの販売台数を記録。最も少ない4月の約1.8倍となっているのだ。
新車の場合、販売店の年度末決算セールという要因により買い! のタイミングとなっているが、それでは、中古車はどうだろうか? 中古車も新車同様に3月が買いのベストタイミングと言えるのだろうか。
※本稿は2019年2月のものです
文:萩原文博/写真:ベストカー編集部
初出:『ベストカー』 2019年3月10日号
■3月は新車同様、中古車も新古車も買いなのか?
中古車は新車と異なり定価がない。したがって値引きという概念はないのだ。中古車は欲しい人(需要)と流通する台数(供給)によって相場が形成される。たとえば現在の日産R34スカイラインGT-Rのように、欲しい人が多くても、すでに絶版となっており、供給できる台数が少なければ相場は高騰する。
一方で、フルモデルチェンジやマイナーチェンジを行い、新型車が登場した車種などでは、先代やマイナーチェンジ前の在庫車が大量に中古車として市場に流通すると、その中古車の相場は下落してしまうのである。
特に3月は、4月の進学や就職そして異動(転勤)などライフスタイルが変わるタイミングを控えており、クルマの需要が高くなるシーズンだ。それは、中古車の登録台数にも表われており、普通車と小型車を合算した2018年の中古車の登録台数は、年間で335万7843台。最も登録台数の多い3月は42万6465台で、最も少ない1月の22万7302台の約1.88倍となっている。
このことから新車と同様に中古車も3月に購入する人が多いことがわかった。しかし、この最大の需要期が購入のベストタイミングなのだろうか。答えはノーだ。
■3月は中古車購入のベストタイミングではない!
その理由は先ほども書いたとおり、中古車は定価がないため需要と供給のバランスによって販売価格が決まる。
3月に中古車が欲しいという人が多くなるが、流通台数は爆発的に増えるわけではない。したがって、3月は中古車相場が割高になってしまうのだ。
たとえば、2018年の暦年で登録車の新車登録台数ナンバー1に輝いた日産ノート。ノートの中古車の平均価格の推移を見てみると、2018年12月の時点では103万円だったが、現在は107万円まで上昇している。流通台数は年明けをピークに現在は12月と同じ水準まで下がっているし、走行距離もほぼ2万kmと同じ条件ながら、価格は高騰しているのだ。
また、軽自動車のスズキ スペーシア。昨年の12月時点の流通台数は1000台程度だったが、現在は1500台を超えるほど中古車の流通台数が増加し、走行距離も若干伸びているにもかかわらず、平均価格は年末までの値落ち基調からゆるやかな値上がりへと変わっている。
(とはいえ、最近は販売店は年末の12月~1月にかけて、3月の需要期に向けて、買い取りや下取りを強化し在庫を増やすため、以前ほど相場が上昇することはなくなっている)
この2車種の値上がりは3月の需要期の影響もあるが、それ以上に走行距離の短く、ほぼ新車のコンディションの未使用中古車(新古車)が大量に出回っていることが大きな影響を及ぼしていると考えられる。
このような未使用中古車は年度末のタイミングになると中古車市場に大量に出回っているため、車種やグレード、色などが自分の条件にピッタリ合うクルマが見つけやすい。
結論として、中古車は3月に買いか? と言われると一般的にはノーだ。しかし未使用中古車を購入すると限定すれば、ベストタイミングだ。
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