日本の分かりやすい観光スポットの一つと言えばお城だ。圧倒的な存在感から、その街を代表するランドマークになり得る場所ゆえに、最寄りのバス停名も半ば自動的に「○○城前」になるのだろうか?
文・写真:中山修一
■日本史の中で最も後発の北海道・松前城
北海道・渡島地方にある松前城は、1855年に完成した日本史の中で最も後発の城だ。城内には天守が造られ、元々国宝だったが1949年に火事で消失、1960年にコンクリート造りで外観のみが復元された。日本100名城のひとつ。
北海道新幹線と道南いさりび鉄道の木古内駅が松前城の最寄駅だ。ただし駅から約55km離れており、公共交通機関で行くならバスが欠かせない。
函館バス510系統で木古内駅から約1時間30分、運賃1,300円の停留所が松前城まで500mくらいと最も近い。肝心の停留所名は「松城」である。
■現存する12天守のひとつ長野県・松本城
松本城は1593年頃に天守の築造が始まったと言われ、現在も往時の姿をほぼそのまま残している。国宝にして日本100名城に加え現存12天守の一つでもある。
JR松本駅から約1.3kmの場所に松本城がある。お堀の周辺にバス停が何ヶ所かあり、とりわけ城に近い位置のバス停名はそれぞれ「鷹匠町(たかじょうまち)」、「池上百竹亭」、「松本城・市役所前」となっている。
最も使いやすいのが、バス停名が示す通り「松本城・市役所前」で、松本城チケット売り場まで大体230mの場所に置かれている。
この停留所を通るバスも多く、アルピコ交通アルプス公園線・岡田線・浅間線・美ヶ原温泉線や、タウンスニーカー北コースなどの各種路線が、松本駅お城口または松本バスターミナルを結んでいる。運賃は200円、所要時間にすると6〜10分だ。
■日本100名城のひとつとして名を馳せる広島県・広島城
1589年築城。完成後300年以上も天守が残存していたが1945年の戦災により倒壊。1958年にコンクリート造りで外観のみ復元された。日本100名城の一つ。
広島駅南口から約2km離れており、広島城のお堀周辺にもバス停がいくつか置かれている。直線距離で最も近いのが「基町」バス停の約150mだが、城内へ入るにはお堀をグルっと回る必要があるため、実際の距離は約1kmとなる。
基町バス停には、広島交通深川・基町線などが停車する。広島駅から約14分、運賃は220円。
一方で、中国JRバスの「広島城(護國神社前)」停留所が、天守のチケット売り場まで約450mと一番近い距離にある。
広島駅新幹線口を出発して広島市内各所を回り広島駅へと戻る「めいぷる〜ぷ(レモンルート)」のバス停となっており、駅からの所要時間は6分、運賃は220円だ。
チケット売り場から750m先まで離れるものの、停車する路線・系統の多さでは「合同庁舎前」が使いやすく、広島交通の勝木線、南原線、深川線、毘沙門台・サンハイツ線、桐陽台線などが広島駅南口を結んでいる。
どの路線・系統を利用しても大体5分くらいの所要時間で駅から(まで)アクセス可能だ。運賃は他の近隣停留所と同じく220円で統一されている。