実はサムライのせい? なぜ日本の道路は左側通行なのか

実はサムライのせい? なぜ日本の道路は左側通行なのか

 海外でレンタカーを借りようと思った時に困るのが左ハンドル問題。そもそも欧米じゃ左ハンドル&右側通行が当たり前なのに、なんで日本は逆なのだろう。その理由を調べてみた!

※本文中の由来の説明については諸説あります。

文/ベストカーWeb編集部、写真/Adobestock

■クルマが走る以前から左側通行のルールがあった!

人口比で見ると約7:3で世界は右側通行の国が多い(R.M. Nunes@Adobestock)
人口比で見ると約7:3で世界は右側通行の国が多い(R.M. Nunes@Adobestock)

 まず右側通行と左側通行の比率だが、人口比ではおよそ7:3となり、圧倒的に右側通行が多い。少数派の左側通行の国を挙げてみると、日本のほかにイギリス、オーストラリア、ニュージーランド、ケニア、南アフリカ、インド、タイ、インドネシアといった具合。かつてオランダやイギリスの統治下にあった国が大半だが、「あー日本もイギリスをマネしたんだ」といわれると、「半分正解」が正しいようだ。

 たとえばJAFの質問箱にはこう書いてある。「道路の通行方法が最初に明文化されたのは明治14(1881)年の警視庁通達で、『人力車が行き合った場合には左に避ける』と、車両の左側通行が規定されました」。

 明治14年といえば日本じゃまだ自動車は走っていないのだが(※確認できる日本での最古の自動車走行は明治31年1月)、この規定が明治5年(1872年)に開通した鉄道のルールに習ったと考えるのは不思議じゃない。日本の鉄道はイギリスの深い関与で基礎が作られたのだが、そのイギリス鉄道の運行ルールが左側通行なのだ。

武士がすれ違いざまに刀が触れるのを嫌った(hikari_stock@Adobestock)
武士がすれ違いざまに刀が触れるのを嫌った(hikari_stock@Adobestock)

「ほらーやっぱイギリスじゃん」と思われるかもしれないが、ちょっと待った。実は日本にはそれ以前から、左側通行の文化があったのだ。それが江戸時代に生まれたとされる「武士のすれ違い」。武士は2本の刀を腰の左側に差すが、狭い道で武士どうしがすれ違うとき、右側通行では互いの刀がぶつかる可能性がある。刀のさやにモノが触れるというのは武士にとって見過ごせぬ事態だから、それだけで果し合いのケンカに発展することも少なくなかったそうだ。

 その結果、主要街道などにおいて左側通行のルールが定まったらしい。つまり明治14年の規定は、この武士のすれ違いを追認しただけともいえる。イギリス由来が「半分正解」と言ったのは、これが理由だ。

次ページは : ■イギリスが左側通行なのは馬車に由来?

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