大マジだったけどやっぱり「ププッ」となっちゃうクルマのキャッチフレーズ7選

高らかに宣言! が、ちょっと気恥ずかしい…

■「スポーツカーに乗ろうと思う」 日産・フェアレディZ

 1989年にデビューした4代目フェアレディZ(Z32)のキャッチフレーズ。初代Zから始まったロングノーズ・ショートデッキのデザインからかなりマッシブなデザインになったモデル。悪く言えば「ずんぐりむっくり」な感じで、キャッチフレーズより先にこの姿に大きく反応したそれまでのZファンは大勢いた。

 テレビCMでは、真紅のZが緩やかにスピンターンするシーンの後に映し出される「スポーツカーに乗ろうと思う」の文字が印象的。自分ごとで申し訳ないが、私はかつてユーノスロードスターが欲しくて妻にまったく同じ文言を言い、ただひと言冷たく「あっそ」と言われたことを思い出してしまった。ちょっと悲しかった思い出。

大マジだったけど、やっぱり「ププッ」となっちゃうキャッチフレーズ7選
バブル絶頂期に登場したZ32。先々代、先代の人気も絶大でフェアレディZは憧れの的。それだけに、バブル景気に浮かれたクルマ好きは「スポーツカーに乗ろうと思う」なんて言われちゃうと是が非でも手に入れたいと思ったはず!?

代々「父」にこだわる…

■「I am a father」「父になろう」「俺。父。俺。」 トヨタ・ヴォクシー

 箱型デザイン(BOXY)のヴォクシーのキャッチフレーズは「父」にこだわりがある。2001年に登場した初代ヴォクシーのテレビCMではザ・ローリング・ストーンズの「(I Can’t Get No) Satisfaction」とともにトータス松本が登場。映像後半に「I am a father」の文字が流れるというもの。

 余談だが、このストーンズの(I Can’t Get No) Satisfactionは、Can’tとNoの二重否定となっていて、パッと見は「満足できる」という意味に思えるが、実はまったく反対の「全然満足できねーよ!」の意味。今までのミニバンでは「(カッコ悪くて)満足できねーよ!」を表現しているのかもしれない。

 そしてこの曲、同じくトヨタのセリカのテレビCMでも使われていた。おそらくそのメッセージ性が「新しく発売するクルマ」にはピッタリなのだろう。

 話が逸れたが、2代目では布袋寅泰、反町隆史、浅野忠信が登場し、「父になろう」のフレーズ。さらに3代目は瑛太が登場し、映像中に「俺。父。俺。」の文字が流れる。これだけ「(カッコイイ)父」にこだわったからか、硬派なイメージのヴォクシーは子育て世代の(カッコイイ)パパによく選ばれているという。

大マジだったけど、やっぱり「ププッ」となっちゃうキャッチフレーズ7選
初代のお父さんはトータス松本。その後もかっこいいお父さんたちがCMに続々登場。新設計プラットフォームを採用するなど、かなり力の入ったニューカマーだった

ちょっと赤面系(?)

■「恋はセリカで」 トヨタ・セリカ

 1970年にデビューした初代セリカ、通称「ダルマセリカ」のキャッチフレーズは「スペシャルティカー」だったが、当時のテレビCMソングとして使われていたのが「恋はセリカで」というタイトルの歌。なので、正確にはキャッチフレーズではないが記憶に残るフレーズには間違いない。

 このCM、妖艶な女性+ダルマセリカの映像にかぶせた、英語と日本語をミックスした歌詞のなかで連呼される「恋はセリカで〜♪」の歌声が、なんだか妙に印象に残るフレーズだった。

大マジだったけど、やっぱり「ププッ」となっちゃうキャッチフレーズ7選
正式なキャッチフレーズは「未来の国からやってきたセリカ」。ダルマという愛称とはあまりマッチしない気はするが……

■「愛のスカイライン」 日産・スカイライン

 1968年に発売された通称「ハコスカ」と呼ばれた3代目スカイラインのキャッチフレーズで、当時の紙面広告に大きく載っていた。

 このちょっと軟派なイメージの「愛のスカイライン」というキャッチフレーズは、4代目で「ケンとメリーのスカイライン」も展開。それまでレースでの活躍が大きく脚光を浴びて硬派イメージだったスカイラインだが、幅広い年代の新たなファン層を獲得していく。

 4代目が通称「ケンメリ」と呼ばれるのはこの「ケンとメリーのスカイライン」が語源である。スカイラインは通称で呼ばれることが多く、5代目は「SKYLINE JAPAN」というキャッチフレーズから「ジャパン」、6代目の後期RS系では薄型ヘッドランプにグリルのないフロントマスクという見た目から「鉄仮面」と呼ばれている。

 余談だが、かつてのトヨタ・セリカと日産・スカイラインはライバル関係にあり、カタログに掲載されたキャッチフレーズのなかには「名ばかりのGT達は、道をあける(セリカ)」や「いま、スカイラインを追うものは誰か(スカイライン)」など、相手をかなり意識したものも多い。実はここにかなり「ププッ」となるので、注目するのも面白い!

大マジだったけど、やっぱり「ププッ」となっちゃうキャッチフレーズ7選
スカイラインの硬派なイメージを激変させた愛に満ち溢れた!? キャッチフレーズを採用した3代目スカイライン。これが大成功!! ユーザー層を拡大させた

■「ブルーバード、お前の時代だ」 日産・ブルーバード

 東京コピーライタークラブの植野純によるキャッチフレーズ。1979年に登場した6代目910系ブルーバードのテレビCMでは、当時大人気だったジュリーこと沢田研二の歌うI am I(俺は俺)が流れ、後半に「ブルーバード、お前の時代だ」のセリフが入る。

 自分がこのセリフを言ったとしたら「ププッ」と照れ臭くなるが、このちょっとキザなセリフも当時のジュリーなら何の違和感もなかった。このフレーズとともに「ザ・スーパースター’80」のフレーズも掲げられ、当時スーパースターだったジュリーとともに紙面広告にも数多く登場した。

大マジだったけど、やっぱり「ププッ」となっちゃうキャッチフレーズ7選
「910ブル」の愛称で親しまれた6代目ブルーバード。ダットサンの名を冠した最後のブルーバードとなった

 と、こうして思い起こしてみると、先進のシステムや他車を凌駕する最高出力、優れたハンドリング、美しいデザイン、他車との差別化、オリジナリティーなどなど、「打ち出したいイメージ」が確実にあったかつてのクルマには、「ププッ」なものもあるけど印象的なキャッチフレーズやCMが多かったように思う。他にも面白いキャッチフレーズはたくさんあるので、機会があればまた次の機会に!

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