●スタイリッシュHBとなった3代目モデル(2007年FMC)
デミオは2代目モデルまで他社ならホンダフィットに近い広さを重視したコンパクトカーだった。しかし、3代目モデルはコンパクトカーのなかでのポジションは現在のトヨタヤリスやスズキスイフトに近く、リアシートやラゲッジスペースをそれほど重視しないド真ん中のコンパクトカーに移行。
キャラクターはクルマの軽量化も含めライトで、エクステリアも2代目ヴィッツを意識したようなスタイリッシュなものとなった。
3代目モデルは2代目モデルのような重厚感のようなものこそなくなったが、3代目モデルも成功をおさめ、2011年のビッグマイナーチェンジでは現在も続くSKYACTIV技術群の第1弾となる1.3Lガソリンエンジンを搭載した。
●ロングスパンとなった4代目モデル→現行マツダ2(2014年FMC)
4代目モデルもコンパクトカーのなかでのポジションは3代目モデルと同じである。しかし、デミオの車名で始まった4代目モデルは2012年の初代CX-5からスタートした魂動デザインや、ディーゼルターボを中心としたSKYACTIV技術群によりマツダが好調だった時期のモデルであった。
そんな背景もあり、4代目モデルは登場時、内外装のクォリティの高さ(インテリアは前席までが中心だったが)、そのわりにリーズナブルな価格といった魅力を持っていた。
筆者はこれらの魅力に加え、当時のアテンザやアクセラに設定されていた2.2Lディーゼルターボ+MTが持つ、エンジンの表情を自分の手でより濃厚に楽しめる点に惚れ込んでいた。しかし、当時の筆者には300万円級のアテンザやアクセラの2.2Lディーゼルターボ+MTはとても買えなかった。
そこに登場した4代目モデルの1.5Lディーゼルターボ+MTを設定し、価格は約200万円と買えるクルマだったこともあり、その点を決め手に筆者は即飛びついた。
筆者が買ったデミオディーゼルは2.2ℓディーゼルターボのほどの迫力はないが、MTでディーゼルエンジンの表情を楽しめる点は同じだった。それでいて燃費はリッター20㎞を切ることがないのに加え、軽油の安さにより燃料代は当時のアクアやフィットハイブリッドとイーブン、つまり純エンジン車でハイブリッドに対抗できる存在だった。
さらに前述した内外装のクォリティの高さなどにより、筆者の思い入れもあるにせよ「コンパクトカーだけど、誇りを持って乗れるクルマ」として大満足していた。
筆者はこのデミオディーゼルに乗っていた時期にトヨタ初代86が欲しくなり、当時はクルマを1台しか持てなかったこともあり、結果的にデミオディーゼルを1年で処分し、中古の初代86に乗り替えた。
しかし、筆者のデミオディーゼルは友人が引き取ってくれ、友人はデミオディーゼルに筆者と同じような満足を感じながら、新車から9年近く、譲ってから8年近くなる今も乗ってくれている。
4代目モデルはマツダ車らしく毎年のように改良され、特に2018年にはガソリンエンジンの排気量を1.3Lから1.5Lに拡大し、2019年にはマツダ2に移行。また2023年1月にはエクステリアをポップな方向とし、グレード体系を見直すなどのマイナーチェンジを受け、現在に至る。
なお、筆者はつい最近、最新モデルではないが、マツダ2のガソリン車のレンタカーに乗る機会があった。乗ってみると新鮮さこそないものの、登場から時間が経っているにもかかわらず、特に古さや問題を感じなかった点にはあらためて感心させられた。
コメント
コメントの使い方4人乗れる2ドアクーペをMAZDA2ベースで造ってもらえないでしょうか?
ロードスターからの乗り換え用として…
妻からは子どもが生まれたら分かってるよな?と圧をかけられておりますゆえ
できるならMAZDA3に採用されたAWDも組み込んでやって欲しいと思います
よろしくお願いします
価格帯?
L社のuxより下げていただければ良いです
近いうちに後期高齢者になるマツダオーナー(現在のマイカーはMX-30)である私はもし次のクルマに乗り換えることがあったらBセグ以下が絶対条件かと思っていますのでマツダ2がなくなれば必然的に他社のクルマになると思います(安全性が第一なので旧車も選択肢にならない)。
軽自動車を捨てたスバル、しかし当時のスバルの顧客の半数は軽自動車ユーザーでした。そのツケが今になって響いています。
マツダではデミオがそれと同じ立場の車です。別に今のまま作り続ければ良いのです、完成度は極めて高いのだから。Mハイブリッドを載せたり小さな努力を最小限の投資で上乗せしていくことはできるはず。モータースポーツから家族旅行まで、全てこなせる車はデミオです。儲けは薄くともやめてはいけない。
仰る通りですね。
エントリーモデルとして必要だと思います。
しかし、ハイブリッド車が無いのが痛いですね…