「強者どもが夢の跡…」お祭り騒ぎのなかで登場したクルマのその後

「みなさんお元気ですか?」のインパクトが強すぎた? 「日産 セフィーロ」

「強者どもが夢の跡…」お祭り騒ぎのなかで登場したクルマのその後
1988年に登場した初代日産 セフィーロ。外観上最大の特徴はプロジェクターヘッドランプの採用にあり、同時代の他車と比べて顔つきが大きく異なっていた

 ベテランの読者ならば、シンガーソングライターの井上陽水が、走行するクルマの助手席から「みなさんお元気ですか?」と問いかけるテレビCMを覚えているかもしれない。そしてそのCMで宣伝されていたのが日産 セフィーロだった。

 1988年に発売された4ドアセダンのセフィーロは、発売前から多数の著名人を起用したティザー広告を実施し、「みなさんお元気ですか?」が流行語にもなったテレビCMも加わって、新車のプロモーションとしては文句なしの大成功を収めた。

 シルビアの4ドアセダン版というコンセプトもあったセフィーロは、20代後半~30代のユーザーをターゲットに開発され、個性的、悪く言えばクセの強いルックスには賛否両論があった。実際の販売成績も、不調とまではいかないが派手なプロモーションを考えるともの足りなかったのも事実。

 それでもセフィーロは1994年に最初のモデルチェンジを行い、1998年には3代目のモデルが登場している。ただし駆動方式はシルビア同様にFRだった初代から、2&3代目ではFFに変更された。3代目は2003年まで生産が続けられるが、2003年には同じ日産のローレルに統合されるかたちで販売終了となった。

 大がかりなプロモーションは成果を上げ、セフィーロの名を浸透させることは叶ったが、残念ながらクルマ自身がその成功を追従できなかった。

人気SUVの縮小版は発売直後から大人気! 「三菱 パジェロミニ」

「強者どもが夢の跡…」お祭り騒ぎのなかで登場したクルマのその後
初代三菱 パジェロミニ。直接のライバルは同じ軽自動車のスズキ ジムニーだったが、街乗り用での使い勝手はパジェロミニに分があり、好調なセールスを記録した

 三菱のパジェロと言えば、国産SUVの雄として一時代を築いたモデル。そんなパジェロの魅力を軽自動車サイズに凝縮したのが1994年デビューのパジェロミニだった。

 パジェロミニの登場時点でパジェロの評価は確固たるものになっていて、その軽自動車版であるパジェロミニにはメーカー&ユーザー双方からの熱い視線が注がれた。また、同じ軽自動車のSUVにはスズキ ジムニーという強力なライバルが存在していたが、パジェロミニは乗用車テイストを強めることによって差別化を図っていた。

 悪路走行も可能というコンセプトはパジェロから引き継ぎながら、一般道での乗り心地も十分に考慮され、さらに軽自動車ならではの経済性などを打ち出したパジェロミニの訴求力は高く、パジェロミニに比べれば無骨な印象が強かったジムニーをしのぐ人気を獲得した。

 1998年の軽自動車規格変更に伴ってパジェロミニはフルモデルチェンジされたが、モデルの基本コンセプトは初代から継承しつつ、新規格に合わせてボディサイズを拡大するなどの変更が行われた。

 2代目パジェロミニは、マイナーチェンジを繰り返しながら2012年まで製造販売が続けられる息の長いモデルになったが、メーカーの経営悪化などの影響を受けて3代目を生み出すことなく歴史に幕を閉じた。

 だが、ここにきてパジェロミニ復活のウワサが聞こえてきた! ベストカーWebでは2022年6月にこの情報を掲載しているが、2024年にまったく新しいクルマとしてパジェロミニが再登場するという。今回のパジェロミニは日産との共同開発になるなど、さまざまな憶測が流れている。もちろんファンは復活を期待しているのは間違いない。このニュースの続報は、ベストカー本誌やベストカーWebでお届けしたい。

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