2023年冬登場予定の新型クラウンセダンはかつて存在した「セルシオ」や「マジェスタ」クラスのハイオーナーモデルで、全長は5mを超えるサイズとクォリティの高さを売りに仕立てている。新型クラウンセダンのクラウンシリーズにおける意味合いについて語ってもらった。
本文/片岡英明、写真/ベストカーWeb編集部、トヨタ
■トヨタのドライバーズカーのフラッグシップは昭和では紛れもなくクラウン
昭和の時代、トヨタ自動車のフラッグシップモデルはショーファードリブンを含めるとセンチュリーだが、ドライバーズカーでは『CROWN』だった。言うまでもなくクラウンは、ランドクルーザーとともにトヨタを代表する老舗ブランドである。
1955年、昭和の年号では30年にデビューしたが、最初に狙ったユーザーは威厳や格式を重んじる日本の富裕層だ。日本人のための独創のプレミアムセダンで、海外向けモデルもあるが、日本のマーケットを重視して開発されている。日本で初めてVIP向けのプレステージセダンを最初に設定したのもクラウンだった。
が、平成の時代になるとトヨタのフラッグシップの座をセルシオに譲っている。1991年にクラウンの上級モデルとしてマジェスタを設定した。セルシオに近い性格のプレミアムセダンだったが、これは2018年に姿を消している。
同時に、高級パワーユニットの象徴だったV型8気筒エンジンも消滅した。12代目のゼロクラウンからは若いユーザーの取り込みにも意欲を見せ、スポーティ感覚を強めている。
■クラウンの大改革が断行された令和の時代
そして令和の時代になると、クラウンは大改革を断行した。2022年7月、16代目のクラウンは大きく変わることを発表し、クロスオーバーを皮切りにエステートやクロスオーバーSUV、そして伝統のセダンなど、バリエーションを意欲的に増やしていくことを予告している。
パワーユニットは4気筒エンジンだけになり、6気筒エンジンが消えた、と嘆いている熱烈なクラウン崇拝者の期待に応えられるマルチシリンダー搭載車の復活もありそうだ。
16代目クラウンは、伝統のプレミアムセダンが古い衣を脱ぎ捨て、新しい提案をデザインにもメカニズムにも盛り込んでいる。そして軸足を国内に置いていたニッポンのクラウンが世界へと飛び出していく。
尖兵として送り出されたクロスオーバーに始まる新生クラウンは、北米を中心に40カ国ほどで販売を予定しているのだ。トヨタを代表する真のグローバルカーへと成長を遂げるのである。
コメント
コメントの使い方クラウンオーナーです。ハイヤー、タクシー、パトカーがこれまでのように新型クラウンを使ってくれるかどうか。あの細い目(LEDヘッドライト)じゃ使わんだろうな。リアは良いが、フロントの目だけ威厳があるデカ目にして欲しい。
この記事では勢力図は見えてこないと思う
サイズ感といい、顔といい、どことなくカマロ感。クラウン的な上質さは個人的には感じないなぁ…
まあ、先にクロスオーバーを出してきたのはある意味観測気球の役割もあったのかなと。このクラウンの改革を世間はどう解釈してくれるか。セダンを先に出せば、残り3台が出てきても買わんだろうな。