■常に「ギンギン」のGRヤリス&時折「安らぎ」も交えるGRカローラ
GRヤリスはWRCのホモロゲモデルというに相応しい、カローラに比べるとサスが路面を叩いて走るかのよう。走り慣れるとこちらも初期に小さいながらしっかりとした足の動きがある。でなきゃ飛び跳ねてるし。それとボディの剛性感がスゴイ。
カローラは5ドアであることに起因するカッチリとした剛性感だが、ヤリスは鳥籠のように鉄筋を張り巡らしたような剛性感。レーシングカーにありがちな堅剛さだ。
自律神経の交感神経(アグレッシブ)がいつも優位に立って走るのがGRヤリスで、交感神経と副交感神経(やすらぎ)が交流電流のように常に入れ替わりながら走るのがGRカローラだと感じる。
なのでボク個人的にはGRカローラの乗り味のほうが好き。年齢のせいもあるが、欧州スポーツモデルに共通するエッセンスを感じる。
■同じパワーユニットだが車重が大違い!
メカニカル面についても触れておこう。
この2台は同じ4WDシステムを持つ。電子制御による多板クラッチを用いたアクティブトルクスプリット4WDでリアにはトルセンLSDを装備する。コクピットのスイッチ操作で前後駆動配分を前60:後40の前寄り、前30:後70の後ろ寄り、前50:後50のフラットに変更することができる。
このモード変更によるハンドリングの違いを今回の試乗で判別はできなかったが、GRカローラのホイールベース2640mmに対してGRヤリスは2560mmと短く、コーナリングでの動きは明らかにアジリティがあり押さえつけてドライブする感じ。GRカローラは直進性も高く、ちょっと乗せられている感じだ。
さて最後にエンジン。両モデルとも同じ1.6L、直3DOHCインタークーラーターボだが、GRヤリスが272ps/37.7kgmのスペックに対しGRカローラは304ps/37.7kgmとGRカローラのほうがパワフル。
ただし重量差が190kgもあり、一般路での加速性能はGRヤリスのほうが若干速く感じた。振動感が少なく耳障りなノイズがないのがGRカローラのほうで、やはりこれも好みは分かれるだろう。
■判定
・快適性と使い勝手を重視するならGRカローラ
・軽快感とスパルタンさを求めるならGRヤリス
コメント
コメントの使い方エンジンブローでエンジン全損の報告がそこかしこで聞かれる高額車等恐くて買えたものじゃない。
自動車評論家様方は皆『欧州テイスト』ってのを一様に大好きだが、高い故障率まで同様ではな……