■タイプ3:初恋クラシック系
前へ前へと突き進んできたカーマニアも、還暦が近付くと、青春時代に憧れた初恋のクルマや、自分が生まれた年に生産されたクルマに乗りたくなるものだ。新しいクルマより古いクルマのほうが断然魅力的に感じられれば、理想的な最後の1台は、初恋のネオクラシックカー以外にないっ!
と言っても、実際にそれを実現させるのは容易ではない。なにしろ初恋のクルマは40歳前後、自分と同い年のクルマは60歳以上なのだから。
クルマの平均寿命は14歳くらいと言われるから、40歳とか60歳のクルマは、もはやミイラに近い。それを手に入れるだけで、大変なエネルギーが必要だ。
現実的には、30歳くらいのクルマが限界に近いのではないか。名車と呼ばれるクルマたちは、30歳程度ならいろいろ生き残っている。30年前の日本はバブル期。国産スポーツカーが栄華を極めた時代である。その頃の名車を手に入れられれば最高だ。
第2世代スカイラインGT-Rのように高騰してしまったモデルもあるが、フェアレディZ(32型)や初代ロードスター、アルシオーネSVXなど、意外とお安く手に入る名車もある。維持するのは簡単ではなかろうが、初恋のクルマたちは、当時よりも光り輝いて見えるに違いない!
■タイプ4:最後はサッパリ系
人間、還暦を過ぎると、食もサッパリ系を好むようになるが、クルマも同じ。スピードへの情熱は雲散霧消し、静かに流れる水の如く走れればそれで充分になるのが一般的である。
流れる水の如くとは、スポーツカーならパワーではなく人馬一体の現行ロードスター。EVならご近所用限定のサクラ/eKクロスEV。ハイブリッドカーはなんでもござれ。注目は車中泊カーではないだろうか!
その究極は、ゴージャスなキャンピングカーではなく、軽ワンボックスのおひとり様車中泊カーだ。パワーやスピードといった若かりし頃の呪縛から完全に解放され、のんびりとどこへでも行ける自由が手に入る。
人間、立って半畳寝て一畳。最後は焼かれて骨だけになる。軽ワンボックスで車中泊の旅に出るのは、西行法師の巡礼気分。世を捨てて遊行しよう。
■タイプ5:免許返納系
日常生活に不便さえなければ、早めにクルマを捨て、免許を返納したほうがシアワセになれる場合もある。
クルマというものは、使い方を間違えれば人も殺せる恐ろしい機械だ。操れる自信がなくなれば、乗らないほうがいい。煩悩から解放されるためにはクルマも断捨離! それがクルマ人生における出家遁世。究極のカタチだ。
「そんなの寂しすぎる! 絶対嫌だ!」今はそう思っても、人間、いつかはそうなる。早いか遅いかだけの違いだ。死ぬまでコッテリもシアワセだが、これもまたひとつのシアワセの形なのですね。
■結論!!
人生、いろいろな時期があり、年を取るにつれ趣味嗜好が変わる。同じように、カーライフにもいろいろな時期がある。
若い頃はパワーやスピードに燃え、年を取るにつれてサッパリな素うどん好みになるのが多数派だが、いつまでも肉食な人もいれば、いつまでも最新技術に貪欲な人もいるし、古いクルマに楽しみを見出す人もいる。そして、早々に隠棲したい人もいる。
正解なんてない。どの道だっていいんだ! その道を選ぶかは、意志ではなく、あるがままに決まるのではないでしょうか。
嗚呼、中高年よ。すべてを受け入れよう! 涙。
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コメント
コメントの使い方どれもいいっすね