街中で、時々見かけるちょっと珍しいモデル。「あ!! あれはええと…、何だっけ!??」と、珍しい、懐かしいクルマだと気づいても、なかなか名前が出てこないことも多いが、クルマ好きを自負するならば、どんな珍車でもさらっと名前をいいたいところ。さらっと名前がいえたらクルマ好き確定な、名珍車たちをいくつか取り上げよう。
文:立花義人、エムスリープロダクション
写真:NISSAN、MAZDA、MITSUBISHI、SUZUKI、ベストカー編集部
個性的で走りもよかったが実用性に欠けていたトヨタ「iQ」
「従来のサイズを打破することを目指し、超小型ボディに卓越した性能を凝縮し高い質感を備えたマイクロプレミアムカー」として2008年に発売となった、トヨタ「iQ」。全長2985mm×全幅1680mm×全高1500mm、ホイールベースはわずか2000mmと、全長は3mに満たないのに全幅は5ナンバーサイズギリギリというユニークな縦横比で、軽自動車とは異なる存在感と個性が感じられるモデルだ。
思ったよりも走りがいいと、ジャーナリストの評価は高く、発売前にその年のカー・オブ・ザ・イヤーを獲得してしまうという異例の事態も生じたが、ヴィッツやパッソのように、実用性、価格での優位性はなく、実際の販売は苦戦した。
「シティコミューター」とよぶにふさわしかった スズキ「ツイン」
スズキが2003年に発売した、2人乗りの小型軽自動車「ツイン」は、全長2735mm×全幅1475mm×全高1450mm、ホイールベース1800mmというボディサイズで、当時の価格はなんと49万円〜。まさに「シティコミューター」と呼ぶにふさわしいモデルだった。
そのいさぎよいパッケージングと共に話題となったのは、市販車の軽四輪車初となるハイブリッドシステムが採用されたこと。こちらは660ccのエンジンにモーターアシストが付いたいわゆるマイルドハイブリッド式で、10・15モード燃費は34km/Lと驚異的な燃費性能であった。
リアゲートはなく、代わりに跳ね上げ式のリアハッチガラスが採用されるなど、過度な装備は何もないこともあり、車両重量はベースグレードで560kg。エンジンも実用的なK6Aでパワフルな印象はないものの、5速MTであれば非常にキビキビとした小気味良い走りを楽しめる。筆者もかつて短期間お世話になったことがあるが、ついついアクセルを踏みたくなるぐらい楽しいクルマだった。
コメント
コメントの使い方