■マツダディーゼルが今後を生き残るためには?
エンジンルームをチェックしましょう。
マツダのディーゼルは尿素などを使うことなくユーロ6をクリアしていますが、さらに厳しくなるユーロ7対応となると大幅な改良が求められるでしょう。
例えばベンツの最新ディーゼルは超大型のDPFがエンジンルームにドンと鎮座し、さらにこれまた大きなNOx対応キャタライザーが装着されています。
これらは銀色の遮熱シートで覆われているのですが、熱を遮っているだけでなく逆に保温の処理でもあるのです。
より厳しくなる排気やCO2、そして燃費規制に対して、ガソリンを多く使ってしまう極低温スタート直後の領域で排気熱を逃がさないようにし、黒煙処理のDPFやNOx処理触媒が効果的に働くようにしているのです。
これくらいやらないと最新の排ガスや燃費規制への対応はできないのです。
いま欧州で安いクルマからディーゼルがなくなっているのは、この対応コストが高額になりすぎているためで、今後は高価格プレミアムカーにしかディーゼル設定はできなくなっていくことが予想されます。
DPFとキャタライザーなどで25万〜30万円以上の原価アップになります。さて、マツダはどのように対応していくのか?
非常に興味があります。コストだけではなく、搭載スペースの問題もあります。今までのFF車のエンジンルームではエンジンの前後方向に超大型DPFやNOx触媒搭載のスペースが足りないですし、あわせて尿素システムなどの追加搭載も不可欠です。
アテンザのエンジンルームスペースでそれはとても難しそうに見えます。
話は飛びましたが、アテンザはエンジンマウントに流体制振仕様を使うなど、ディーゼル特有の振動や雑音消しにしっかりと対応しています。
マジメに作っていることはわかります。しかし吸気口の開口サイズやエアクリーナーの容量は、2.2Lの排気量への対応としてみると小さい。
パッと見のサイズ感は1.8Lクラスです。フロントグリル上部より飛び出しているエンジンフードの段差が気になります。
これは高速道路で”ピー”という風切り音の原因となります。グリル上部を1ミリ程度高くして、フード面を低くする補正をしなければ駄目。
このアテンザでは逆にフード側が高く飛び出していて、ピー音や空気抵抗の渦が発生しやすくなっています。
ベンツなどでは必ずフード側が下がるように補正されていますし、今回のレクサスESはそのようになっています。このようなことが技術ノウハウなのです。
レクサスESのエンジンルーム内部は基本的にカムリと変わりません。吸気管には大きなレゾネーターに加え吸音材が付いていて吸気の雑音を消そうとしています。
しかしこのESだけでなく、最近トヨタのハイブリッド車で共通して感じるのは、平たん路で普通に走っていると静かで上質なのに、ターンパイクのような登り坂でアクセルを踏み込んだ時、インストのベンチレーターダクトから一気に耳元に向かってくるエンジンの吸気雑音。
エアクリーナー容量の拡大で音質改善や音の低減を図るとか、ダッシュ上部の車体構造をベンツや日産FRなどのように2重隔壁構造にして、エアコンの空気取り入れ部の遮音を図るなど、スペース的には余裕があるので、もっといろいろな工夫で改善を望みたい部分です。
コメント
コメントの使い方