タイヤの前後位置交換(ローテーション)は、一般的には同じ位置のままずっと長期間使用していると偏摩耗を起こすため、その予防のためにやったほうがいいと言われる。しかし、そもそもなぜ定期的に実施したほうがいいのか、そのスパンやFFとFR、4WDなど駆動方式などについても違うのか、プロドライバーからの視点で語ってもらった。
文/ハル中田、写真/ベストカー編集部、ホンダ、AdobeStock(タイトル写真:fotoduets@AdobeStock)
■なぜタイヤのローテーションをすべきなのか?
タイヤのローテーション。いいですね、これはやはり愛車のタイヤを大事にするための基本のキです。しかし、実際にタイヤのローテーション、皆さんはしていますでしょうか?
スタッドレスタイヤに履き替える方はその時にローテーションをすることでしょう。しかし、冬タイヤへの履き替えをしない方はどうでしょう? タイヤを買ってからずーーーっとそのままになっていませんか? 実はタイヤの点検すらも疎かになっていませんか?
今回はローテーションをすべき理由としないことの怖さ、そして特にすべき車種タイプについて書きたいと思います。
■ローテーションをすべき理由
まずは何よりも、「タイヤが長持ち」します。前後左右に4本付いているタイヤはどうしてもそれぞれ摩耗する早さが違います。「右後ろのタイヤはまだまだバリ山なのに、左前タイヤだけツルッツル……」なんてことになるケースもあります。
ツルツルのタイヤは雨で滑りやすいし、乗り心地も悪いし、音もうるさいし、落ちている釘などでパンクもしやすくなります。ほかのタイヤは溝が残っているのに、ツルツルな1本のみのために4本全部交換交換して出費がかさんじゃう、そんなことも防げます。
「じゃあツルツルになったタイヤだけ交換すればいいのでは?」
う~ん、悪くはありませんが一般的にはオススメできません。履いているタイヤのなかで古いのと新しいのが混じると、経時劣化度合いの違いで4つのタイヤ間でグリップが違うことになってしまいます。そうなると操縦安定性のバランスが崩れてしまい、いざという時に車両挙動が不安定になることも。
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