故障ひとつで100万円!? 輸入車の電動車は買ってもホントに大丈夫なのか?

故障ひとつで100万円!? 輸入車の電動車は買ってもホントに大丈夫なのか?

 プラグインハイブリッド車のBMW330eを高年式中古車でかつて購入した自動車評論家の国沢光宏氏。走行用電池の保険システムを確立すべきだと提唱しているのだが、輸入車の電動車両は手を出しても大丈夫なのかについて鋭く指摘してもらった。

文/国沢光宏、写真/ベストカーWeb編集部、トヨタ、国沢光宏

■多様なパワートレーンを使うのは輸入車も同じだが……

先代メルセデスベンツSクラスに設定されていたハイブリッド車のS400h
先代メルセデスベンツSクラスに設定されていたハイブリッド車のS400h

 ここにきて輸入車もパワーユニットにモーターやリチウムイオン電池、インバーターなどを使う電動化車両が増えてきた。今後、純粋な電気自動車だって多数出てくることだろう。

 となってくると不安なのは電動化部品のトラブル。電動化車両の先駆けになったメルセデスベンツのハイブリッドやBMWのハイブリッドなどはすでにトラブルが発生しており、見積もりを取ると3桁の修理費用!

 エンジン車の場合、トラブルを起こしてもすべて交換にならない。エンジンが焼き付くケースなど”ほぼ”ないからだ。加えて経年変化によりトラブル出るのは10年とか20万km走ったあたりから。

 その時になれば中古部品なども安価に流通しているため、適正な出費で修理することだってできる。もっといえば、20年とか30万km乗り続けることすら難しくないと思う。

■輸入車の電動車はどうなのか?

1997年登場の初代プリウス。あれから26年経過した今、生き残っている個体はほとんどなくなってきている
1997年登場の初代プリウス。あれから26年経過した今、生き残っている個体はほとんどなくなってきている

 ところが、電動車だとそうもいかない。電池の生涯補償を行った初代の初期型プリウスはデビューから26年経っているが、今や生き残っている個体はほとんどない。2002年まで販売されていた初期型そのものを見かけることもなくなった。

 同級生となる初代フィットや、FR時代のノア、先代ハイエースなどは今でもけっこう見かけます。しかし、電動化系のトラブルが出たら生き延びられない。

 高い信頼性と比較的安価な電動化補修部品(プリウスの走行用バッテリーは新品でも15万円程度で交換可能)を提供しているトヨタ車すらこういった状況。輸入車の電動化車両になると、保証期間が切れた後はロシアンルーレット状態になると思っていいだろう。

 マイルドハイブリッドを採用している前述のメルセデスベンツS400hでいえばインバーターもリチウムイオン電池も高い!

 そもそもインバーターなどは修理できず、アッセンブリー交換になってしまう。当時のインバーターは構造が複雑で生産個数も非常に少ない。メルセデスベンツS400hのインバーターを交換しようとすれば、軽く200万円台の中盤になってしまうというから驚く。

 メルセデスベンツS400hの中古車価格、200万円台後半くらいなので、よほど気に入って乗っている人じゃなければインバーター故障=廃車かと。

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