生ぬるい風しか出てこない! エアコンが壊れた! そんな時どうする? エアコンの修理費用と対策とは

■エアコンコンプレッサーのトラブルも多い

エアコンを作動させると、エンジンルームからガラガラと音がする場合はコンプレッサーの故障が疑われる。その場合はエアコンのスイッチをオフにして業者に点検を依頼しましょう(写真:Filippo-Carlot@Adobe Stock)
エアコンを作動させると、エンジンルームからガラガラと音がする場合はコンプレッサーの故障が疑われる。その場合はエアコンのスイッチをオフにして業者に点検を依頼しましょう(写真:Filippo-Carlot@Adobe Stock)

 次に起こりやすいのが、冷媒の循環を担っているエアコンコンプレッサー回りのトラブルだ。エアコンを作動させるとエンジンルームからガラガラと出ていたら重症の可能性が高い。

 エアコンコンプレッサーの駆動力はベルトを介してエンジンから伝達されており、そのベルトの張りが緩んでスリップするといった不良は、即エアコンの作動に影響する。

 また、駆動ベルトがかかっているコンプレッサー側のプーリーには「電磁クラッチ」が装備されていて、駆動力を断続(エアコンシステムによって動作を制御されている)できる構造になっている。

 制御回路の途中には「リレー(電磁スイッチ)」も設けられている。このどちらか一方が故障した場合、駆動力が伝達されなくなるためエアコンは動作しなくなる。

 エアコンスイッチをオン/オフすると、作動時には「カチッ」という作動音が聞こえる。この程度は素人でも確認できるので、気になったら確認してみるとよい。

■エアコンから臭い風が出てきたり、風量が弱くなってしまった場合はエバポレーターが原因

エバポレーターは、汚れたり目詰まりが起きると臭くなったり、エアコンの風が弱くなる 。駐車場などでアイドリングさせてエアコン使っているとクルマの下に水滴が落ちるが、その水はエバポレーターで発生する
エバポレーターは、汚れたり目詰まりが起きると臭くなったり、エアコンの風が弱くなる 。駐車場などでアイドリングさせてエアコン使っているとクルマの下に水滴が落ちるが、その水はエバポレーターで発生する

 エアコンから風は出てくるものの、臭かったり、風量が弱い場合はエバポレーターが原因となる。エキスパンションバルブで低温・低圧にされた霧状冷媒を大量に気化し、ファンにより送られる車室内の暖かい空気がエバポレーターを通過することによって冷却し、室内を冷房化する。

 暖かい空気がエバポレーターフィンに当たり、露点温度以下に冷却されると空気中の水分が凝縮し、エバポレーターフィンに水滴が付着する。この結果 、車室内の湿気をとることができる。

 このエバポレーターが壊れた場合、交換費用は約5万~10万円。洗浄も行ってくれるが1回1万円以上かかる。小さい子供がいて、カビや細菌が気になる人はフィルター交換とともに年に2回のエバポレーターの洗浄をお薦めする。

 エアコンフィルターの詰まりも風量を落としてしまう。定期的に清掃や新品への交換をすることで風量を維持することができる。特に最近はコロナ対策で外気導入を多用している人が多く、内気循環でも窓を開けて室内を換気しているのでフィルターが汚れやすい。

 交換費用はショップなどでは工賃込みで約4000~6000円。ただし、フィルターそのものは1000~2000円で手に入るから、充分自分で交換できるのでトライしてみるのもよいだろう。

 これから本格的な梅雨のシーズン、そして梅雨が終われば35度を超える酷暑の季節を迎える。そうした季節を迎える今こそ、エアコンの手入れをする季節。

 もしエアコンをオンにしても生ぬるい風やくさい臭い、風が弱かったら、すぐに電装系に強い整備工場への入庫をお薦めしたい。

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