5月に入り、各地で25度を超える夏日になるところが出てきた。クルマのなかも、当然暑くなるのでエアコンをつけた人も多いんじゃないだろうか。しかし、いざエアコンを付けてみると生ぬるい風しか出てこない、冷えないという場合も。そこで、症状別の診断といくらかかるか解説していこう。
文/ベストカーWeb編集部、写真/ベストカーWeb編集部、Adobe Stock(タイトル写真:Cautivante.co@Adobe Stock)
■いざエアコンをつけたら生ぬるい風しか出てこない
ゴールデンウィークの頃から、各地で25度を超える夏日を記録することも珍しくなくなってきた。すでにエアコンをオンにしている人もいるだろう。
しかし、なかにはいざつけてみると生ぬるい風しか出てこない、全然冷えないと嘆いている人が多いのではないだろうか。単にエアコンガスが抜けているのか、はたまたエバポレーター、エアコン内部まで故障しているのか、修理費用がいくらかかるのかにも迫っていきたい。
エアコンが冷えないという現象は、冷却回路を構成する部位のいずれかに不具合が起こったために起こる現象。
エアコンはたくさんの部品で構成されているが壊れる部品、冷房能力を低下させる部品はある程度限られてくる。それはコンプレッサー、コンデンサー、配管、ファン、エバポレーター、ファンレジスター、フィルターなどだ。
そのなかでももっとも多いトラブルがガス漏れだ。そもそもこのガス抜け自体が、異常事態だと認識してほうがいい。
動かない家の壁に固定されている家庭用エアコンとは異なり、当然、クルマが走行するので、カーエアコンにはさまざまな振動が加わる。
特にシステムの要となるエアコンコンプレッサーはエンジンの回転力で動作(ハイブリッド車では電動化されている)するため、エンジン側面に固定されており、走行時にはエンジンの振動の影響を受けるのは当然だ。
このため、ボディ側に固定されているコンデンサーとの接続にはゴムホースが利用されている。しかし、走行時そのコンデンサーなどにも路面からの振動が加わるため、配管接続部からの漏れを生じやすい。
しかも、ゴムのOリングでシールされた断続可能な部分は9~10ヵ所。ゴムホースのカシメ部位が2ヵ所とかなりの数があるので、それだけ故障する確率も高くなる。
このため、平成モデル以前のクルマは10年10万km前後でエアコンのトラブルことが多かった。各部の耐久性が格段に向上している平成以降のモデルも使用条件によっては10万km前後でトラブルになることもあるが、メンテをキッチリ行っていれば14万~15万kmは走れる。
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